「確定申告のために会計ソフトを入れたい。でも毎年の利用料が地味に痛い」—— そんなときに使えるのが国の補助金です。ソフト代の4分の3から5分の4が戻ってくる制度があり、農業も対象です。

ただし2026年度から制度の名前が変わっていて、 ネット上の記事はまだ古い名前のままのものが多くあります。 この記事では最新の名称・補助率・締切を整理したうえで、正直に言って補助金を使わないほうが早いケースまで書きます。

まず名前が変わりました:IT導入補助金 →「デジタル化・AI導入補助金」

会計ソフトの導入に使える代表的な制度は、長らく「IT導入補助金」と呼ばれてきました。これが2026年度(令和7年度補正予算)から「デジタル化・AI導入補助金2026」という名前に変わっています。

💡 中身は引き継がれています。会計ソフトを入れるなら、従来どおり「インボイス枠(インボイス対応類型)」を使います。 検索するときは新しい名前で調べたほうが、最新の公募要領にたどり着けます。

いくら戻ってくる?(インボイス枠の場合)

会計ソフトが対象になるのは、「会計」「受発注」「決済」のうち1つ以上の機能を持ち、インボイス制度に対応したソフトです。市販のクラウド会計ソフトはこの条件を満たしています。

対象補助率補助額の上限
ソフト(補助額50万円以下の部分)3/4(小規模事業者は4/5会計だけ(1機能)なら補助額50万円以下
2機能以上なら350万円以下
ソフト(50万円超〜350万円の部分)2/3
パソコン・タブレット等1/210万円
レジ・券売機等1/220万円

パソコンやレジはソフトとセットで導入する場合だけ対象です。 パソコンだけを買って申請することはできません。

⚠️ クラウドソフトの利用料を何年分まとめて対象にできるかは、公募の回によって扱いが変わります。 「2年分まで」といった記載があるので、申請前に必ず最新の公募要領でご確認ください。

直近の締切と、逆算した準備の順番

この補助金は年に何回か締切があります。直近は2026年8月25日(火)17:00で、交付決定は10月7日ごろの予定です。

注意したいのは、申請に必要なGビズIDプライム〔=国の行政サービスにログインするための、事業者向けの共通アカウントの発行に約2週間かかることです。締切ぎりぎりに動くと間に合いません。

時期やること
まず最初にGビズIDプライムを申請(無料・約2週間かかる=ここが一番のボトルネック)
同時並行でSECURITY ACTION〔=情報セキュリティ対策に取り組むことを自分で宣言する、IPAの無料の仕組みを宣言(無料・アカウントID発行に1週間程度)
同時並行で入れたい会計ソフトを決め、IT導入支援事業者に相談
締切の1〜2週間前支援事業者と一緒に交付申請を作成・提出
交付決定の通知後ここで初めて契約・支払い/導入後に実績報告

間に合わないと感じたら、無理をせず次の締切に回すほうが確実です。 急いで要件を落とすと、時間だけ使って不採択になります。

いちばん多い失敗:交付決定の前に買ってしまう

この補助金で最も多い失敗は、交付決定を待たずにソフトを契約・支払いしてしまうことです。 補助金は「これから買うもの」を支援する仕組みなので、 先に買ったものは1円も対象になりません

「早く確定申告の準備を始めたい」という気持ちは自然ですが、 試すのは無料お試し期間の範囲にとどめてください。 補助金全体の流れはみのり補助金ナビのトップページにある「申請の流れ(もらえるまでの6ステップ)」 でも図解しています。

他に会計ソフトに使える制度

小規模事業者持続化補助金

販路開拓が主目的の制度ですが、その一部としてインボイス〔=請求書に登録番号や税率などを記載する、2023年10月に始まった消費税の新しいルール対応のシステム費用を含められる場合があります。上限は通常枠50万円で、 インボイス特例や賃金引上げ特例を使うと最大250万円まで伸びます。商工会・商工会議所が出す「事業支援計画書」が必須で、 その締切は本体より早いので早めの相談が必要です。

自治体の独自制度

市町村独自にIT導入やデジタル化を支援している例もあります。 少額でも申請しやすいものが多いので、経営・IT・販路の制度一覧からお住まいの地域のものを確認してみてください。

正直な話:補助金を使わないほうが早いこともあります

ここは他のサイトがあまり書かないところなので、正直に書きます。

個人向けのクラウド会計ソフトは、年間で1万円台から3万円台が相場です。 仮に2年分で6万円だとして、補助率4/5なら戻ってくるのは5万円ほど。 一方でやることは、GビズIDの取得(約2週間)、SECURITY ACTIONの宣言、 支援事業者探し、事業計画の作成、実績報告、その後数年間の効果報告です。

💡 判断の目安:ソフト代が年数万円なら、補助金を待たずに導入したほうが総合的に早いことが多いです。 逆に、会計だけでなく受発注・販売管理・レジまでまとめて入れるなら 補助額が大きくなり、手間をかける価値が出てきます。

「確定申告が今年こそ間に合わない」という状況なら、 先にソフトを入れて申告を楽にし、翌年に受発注や販売管理までまとめて補助金で入れる—— という順番も現実的です。補助金は毎年公募があります。

まとめ

  • 会計ソフトの補助金は「デジタル化・AI導入補助金2026」(旧IT導入補助金)の インボイス枠
  • 補助率は3/4(小規模事業者は4/5)。農業も対象で、開業届+確定申告の実績があれば個人でも可
  • 直近の締切は2026年8月25日17:00。GビズIDに約2週間かかるので逆算して動く
  • 交付決定の前に買うと対象外。これが最多の失敗
  • 自力申請は不可。IT導入支援事業者経由。断られることもあるので複数社に相談
  • ソフト代が年数万円だけなら、補助金を待たず導入したほうが早い場合もある

お住まいの地域で使える制度はみのり補助金ナビで県を選ぶと一覧になります。 「自分は対象になるのか」が不安なときは、各制度の「対象かチェック」もお使いください。