愛知県の農業補助金を20件調べて、いちばん強く出た特徴は金額でも品目でもありませんでした。

日付ではなく、予算で締め切られるいうことです。

調査した時点で、豊橋市のアグリテック導入支援は「予算の都合により申請の受付を一時中止」同じ豊橋市の獣害防除対策は「令和8年度は予算上限に達したため受付停止中」
新城市の有害鳥獣防除は市自身が「近年は年度途中で受付終了している」案内し、碧南市にいたっては受付開始時に希望者が並ぶ場合は抽選書かれています。

掲載20件のうち、ちょうど半分が予算切れに言及していました。募集要項に書かれた締切日を見ても意味がありません。
「今も受け付けているか」を電話で聞くところから始めるです。

この記事では掲載20件を市別に金額つきで整理します。
一覧で見たい方は愛知県の補助金一覧からどうぞ。

愛知の内訳

出し手件数性格
豊橋市6件⭐県内で最も層が厚い(狩猟免許10/10・チェーンソー)/🔴2件が受付停止中
安城市・新城市各3件⭐イチジクとナシだけに絞る/⭐林業・畜産・鳥獣
田原市・岡崎市各2件⭐施設園芸の省エネ(受け皿型)/⭐鳥獣と狩猟免許
愛知県1件⭐⭐上限3,600万円。ただし産地要件あり
豊田市・碧南市・知多市各1件⚠️前年12月〜1月受付/⚠️先着・抽選/⭐借りる側に3万円/10a
⚠️ この件数は当サイトの調査状況を反映した数字です。
愛知県には54の市町村があり、表に出ていない市町村にも制度がある可能性は十分あります。
件数の順位を「手厚さの順位」と読まないでください。

🔴予算で締め切られる、という愛知の性格

まず、どの制度がどういう止まり方をするのかを一覧にします。
締切日が書いてあっても、その前に終わることがあるいう前提で見てください。

制度受付の状態動くべき時期
豊橋市 アグリテック導入支援🔴受付を一時中止中再開の案内を市HPで確認
豊橋市 獣害防除対策🔴予算上限に達し停止中次年度の早い時期
新城市 有害鳥獣防除⚠️年度途中で終了する年が続く4月1日(受付開始日)
碧南市 農業経営改善支援⚠️先着順・並ぶと抽選4月上旬(受付は7月上旬まで)
田原市 スマート農業推進⚠️予算終了時は早期締切4月1日以降なるべく早く
岡崎市 鳥獣害対策⚠️予算がなくなり次第終了4月〜(受付は翌年2月末まで)
岡崎市 狩猟免許取得支援⚠️予算がなくなり次第終了免許取得後、その年度内
豊田市 農業チャレンジ推進⚠️予算の範囲内・早い者勝ち🔴前年度の12月〜1月
豊橋市 気候変動対策実証支援令和8年度は7月15日で終了年度当初に市へ確認
豊橋市 豊橋産農産物活用推進予算がある限り期間後も受付5月1日〜6月30日が本来の期間

例外が1つあります。豊橋市 豊橋産農産物活用推進補助金だけは「申請期間は5月1日〜6月30日ですが、予算がある限り期間終了後も受け付けます」と逆のことが書かれています。
市産農産物を使った商品の開発・改良・販売市内での地産地消の取組が 1/2・上限30万円。
⚠️他から同様の補助を受けていないことが条件です。
期間を過ぎていても、まず聞いてみる価値がある制度です。

🔴もう1つ性格が違うのが豊田市 農業チャレンジ推進補助金です。
事業経費の1/2以内・上限100万円で、農作業の省力化・効率化に資する機械/設備/農業技術の導入と、温室効果ガス排出量の削減など環境負荷軽減の取組が対象。
⚠️受付が前年度の12月〜1月で、令和8年度分は令和8年1月30日に終わっています。
他市が4月に動くのに対し、豊田市だけ年内に動く必要があります。申請は「あいち電子申請システム」から行います。

豊橋市(6件):県内でいちばん層が厚い

全国有数の農業産出額を持つ豊橋市は、掲載数でも県内最多です。
ただし1件あたりの上限は50万円以下で、数で支える形になっています。

豊橋市 アグリテック導入支援補助金式が珍しく、市が用意する「製品カタログ」に掲載された製品等に限るいう作りです。
機械購入費・施設整備費・システム導入費が1/2以内・上限50万円、農業資材購入費が1/2以内・上限20万円、そして使用料・賃借料・サービス利用料も1/2以内・上限20万円
買わずに使うサブスク型のスマート農業サービスでも使えます(多くの自治体はリースや月額利用料を対象外にしています)。
⚠️豊橋アグリミートアップパートナー農業者であることが条件です。

🔴 アグリテック導入支援は予算の都合により受付を一時中止中です。再開の案内を市ホームページで確認してください。
⚠️交付申請と同じ年度内に購入したものが対象なので、再開時期と購入時期の両方に注意が要ります。

資格の支援が2つあるのが豊橋市の特徴です。
豊橋市 狩猟免許取得支援事業補助金補助率10/10=全額(上限2万円)で、狩猟免許取得講習会参加費と試験テキスト代が対象。
⚠️広域狩猟連合豊橋会長または地域捕獲団体代表の推薦が必要で、 ⚠️申請書類は2月5日までに提出(2月6日以降に受講する場合は受講後直近の平日に市へ連絡)。

豊橋市 森林管理チェーンソー特別教育講習費補助金伐採等業務のチェーンソー特別教育受講料とテキスト代が 1/2以内・上限15,000円(1,000円未満切り捨て)。
市内に住所を有する個人が申請できます
チェーンソーの特別教育に出る補助は全国的にも数が少なく荒れた竹林や老木化した果樹を自分で伐る人にも関わってきます。
⚠️申請年度に受講したものが対象で、市税の滞納がないことが条件です。

豊橋市 農産物気候変動対策実証支援補助金は、高温などで従来の作型が通用しなくなった品目について実証試験を行い栽培マニュアルにまとめる取組が1/2以内・上限40万円。
気候変動への対応を「実証の段階」から支える制度は全国的にも数が少ないものです。
🔴ただし対象は農業者の組織する団体で、個人では申請できません(⚠️原則、年間150日以上農業に従事している農業従事者が5名以上)。

鳥獣の柵は豊橋市 獣害防除対策事業補助金で、電気柵・ワイヤーメッシュ柵などの購入経費が1/2以内・上限5万円。
✅市内に住所があり市内農地で自ら設置する個人が対象です(⚠️資材費のみ・工賃は対象外)。
🔴令和8年度は予算上限に達して受付停止中です。

安城市(3件):イチジクとナシだけに絞る

安城市の3件はすべてイチジクとナシです。
しかも「新しく植える」と「他人の園を引き継ぐ」で制度が分かれています。

継承に別枠があるのが効きます。果樹は植えてから穫れるまでの無収入期間が長いので、すでに実がなる園を引き継げれば、その期間を飛び越えられます
離農する人の園地を次の人に渡す受け皿として設計されています。
⚠️対象品目がイチジクとナシに限られている点は先に確認してください。

新城市(3件):林業・畜産・鳥獣の3方

新城市 畜産振興事業補助金6メニューあり、そのうち3つは農家個人が直接申請できます「市内に居住し、かつ市内において酪農経営又は和牛繁殖経営を営む者」が対象)。

  • 乳用牛の初妊牛・家畜市場から導入する和牛繁殖用雌牛が1頭につき5万円以内
  • 自家保留した雌子牛も1頭5万円以内(⚠️ゲノミック評価で脂肪交雑以外の2項目以上が上位1/4=A以上、かつ12か月齢以上が条件)
  • ゲノミック評価に要する経費の1/2以内/受精卵1卵につき1万円以内・採卵1回1万5,000円以内

⚠️牛ワクチン接種・全国畜産共進会出品費・畜産競争力強化対策整備の3メニューは協議会やJA部会が主体で、個人は申請できません。
✅オンライン申請に対応しています。

林業では新城市 搬出間伐推進事業補助金1haあたりの搬出材積に応じて3万円〜12万円の定額
✅森林所有者個人も対象で、受付が4月1日から2月末日までと長いのが利点です。
⚠️愛知県造林事業補助金を活用していることが前提(県の補助への上乗せ)で、 ⚠️森林経営計画の作成と、1haあたりの搬出材積75㎥以上が必要です。

新城市 有害鳥獣防除事業補助金資材購入費の1/2以内・1人あたり上限35,000円。
市内に住所があれば認定農業者でなくても使えます
🔴毎年4月1日受付開始・予算がなくなり次第終了で、近年は年度途中で締め切られています。
4月のうちに申請するのが鉄則です。
⚠️同一年度中にすでに交付を受けた世帯は対象外。

岡崎市(2件):鳥獣と、その担い

岡崎市 鳥獣害対策事業費補助金電気牧柵・ワイヤーメッシュ・網などの防護柵、電気かかしなどの威嚇資材が1/2以内で、シカから樹木を守る「樹木防護材」は個人でも上限10万円手厚めです。
⭐受付期間が4月から翌年2月末までと長く、年度内のタイミングを選べます。
⚠️はこわな・囲いわな・くくりわなだけは農林業関係団体のみが対象です。

⚠️ 条件が細かい制度です。
資材費のみ(人件費・事務費・送料・テスター等の器具・設置工具は対象外)、耐用年数5年以上見込めるもの、同一年度内で資材ごとに1回のみ補助金額が1万円未満の事業は対象外。
🔴同じ場所への再設置は前回の交付から5年を経過していないと対象外です。
⚠️交付決定の通知が届くまでは資材を購入しないでください。
⚠️設置後に測定検査が入ることがあります。

担い手側が岡崎市 狩猟免許取得支援で、1/2・上限19,000円。
講習費だけでなく「医師の診断書料」も対象入っているのが親切な点です(狩猟免許の申請に必須の費用で、意外と見落とされます)。
⭐銃猟免許(第一種・第二種)とわな猟免許のどちらでも対象。
⚠️岡崎猟友会に所属し、会長または支部長の推薦を受け、農林水産業被害の防止のために捕獲することを宣誓する必要があります。

お、柵を張っただけでは終わらないのが鳥獣対策の実情です。
わなや柵の見回りは毎日の作業になり、範囲が広いほど負担が重くなります。碧南市の農業経営改善支援事業では防犯カメラの設置も補助対象挙げられているので、見回りの一部を機械に置き換える考え方は愛知でも想定されています。
電源の取れない畑や山際なら電源確保が難しい場所での監視にエコパワーカメラ【監視カメラレンタル】[広告]のような電源不要のレンタル型もあります。
⚠️ただし補助の対象になるかは制度ごとに違うので、購入・契約の前に担当課へ確認してください。

田原市(2件):施設園芸の省エネは「受け皿型」

全国有数の施設園芸地帯である田原市の2件は、どちらも金額が小さく、そのぶん入口が広い作りです。

田原市 脱炭素農業推進補助金ヒートポンプ・循環扇・多層カーテン化・木質バイオマスボイラー等が 1/3以内・上限10万円。
⚠️国・県の補助事業に採択されていないことが条件大きい補助に乗れなかった人のための受け皿いう設計です。
⚠️施設園芸セーフティネット構築事業への加入(予定含む)が条件で、 ⚠️令和7年度から、過去にこの補助金を受けた人は対象外になりました。
✅令和8年4月1日から随時受付(予算終了時まで)。

田原市 スマート農業推進補助金自動運転ロボット、GPS運転アシスト、環境制御機器、センシング機器などが 1/3以内・上限40万円。
✅募集期間が令和8年4月1日〜令和9年1月29日と長く、少額から使いやすいのが利点です。
⚠️リース導入費・月額使用料・ドローン免許取得費は対象外(豊橋市のアグリテックがサービス利用料を対象にしているのと正反対なので、同じ県内でも混同しないでください)。
⚠️認定農業者かつ田原市地域計画に位置づけられた経営体が対象です。

県の1件と、豊田市・碧南市・知多市

掲載している県単独の制度は愛知県 あいち型産地パワーアップ事業1つです。
補助金額は事業実施計画ごとに上限3,600万円(申請事業費の上限は取組主体ごとに6,000万円)で、県単独としては破格の規模。
補助率は補助対象事業費(税抜)の1/3以内で、栽培施設・共同利用施設の整備、高性能農業機械、果樹の改植・新植などが対象です。
名目のとおり「国の補助事業を使うのが難しい産地・農業者」向け県が用意した事業になっています。

⚠️ ただし個人が機械を1台入れるような使い方には向きません。
⚠️産地要件(原則露地3ha・施設1ha、農業従事者おおむね3人以上)、 ⚠️申請事業費は原則300万円以上、⚠️生産性を10%以上向上させる成果目標が必要です。
⚠️申請は市町村経由で、要望調査が前年度〜年度当初にあります

碧南市 農業経営改善支援事業補助金環境負荷軽減・スマート農業の導入なら上限50万円、それ以外は10万円
防犯カメラの設置や有害鳥獣対策、加工品製造、ホームページ開設も対象と幅が広いのが利点です。
⚠️認定農業者または認定新規就農者であることが前提。
⚠️受付は例年4月上旬〜7月上旬の先着順で、予算上限に達した時点で締切、 ⚠️受付開始時に複数の希望者がいる場合は抽選なります。
⚠️書類に不備・不足があると再提出になり、先着の並び順もやり直しです。
✅事前に農業水産課で書類内容を確認してもらえるので、必ず使ってください。

知多市 農地流動化奨励交付金借りる側に1㎡あたり30円(10aで3万円、1haで30万円)。
⚠️耕作放棄地を「新規に」借りる場合に限られすでに耕作されている農地は対象外です。
⚠️農地中間管理事業を通じた5年以上の賃貸借であること、 ⚠️市内の農業振興地域内の農地であることが条件。
✅通年で相談できます。
規模を広げたい人が、荒れた農地を引き受ける動機づけして設計されています。

愛知で申請するときの注意点

  1. 🔴締切日ではなく「今も受け付けているか」を聞く。これが愛知でいちばん大事です。
    掲載20件のうち半分が予算切れに言及し、調査時点で豊橋市の2件が実際に止まっていました。
    要項の日付を見て安心しないでください
  2. 🔴4月1日に動く制度と、前年12月に動く制度がある。新城市の有害鳥獣は4月1日受付開始、碧南市は4月上旬から先着、田原市の2件も4月1日から。
    いっぽう豊田市の農業チャレンジ推進だけは前年度の12月〜1月です。
    前年度から動く制度については前年度の要望調査で決まる補助金の記事あわせてどうぞ
  3. ⚠️リース・月額利用料の扱いが市で正反対。豊橋市のアグリテックは使用料・サービス利用料も対象ですが、田原市のスマート農業はリース導入費・月額使用料が対象外
    同じ県内でも逆なので、必ず個別に確認してください
  4. ⚠️交付決定の前に買わない。岡崎市の鳥獣害対策は「交付決定の通知が届くまでは資材を購入しないでください」と明記し、豊橋市のアグリテックは「交付申請と同じ年度内に購入したもの」が条件です
  5. ⚠️「過去に受けていないこと」が条件の制度がある。田原市の脱炭素農業推進は令和7年度から過去の受給者が対象外、新城市の有害鳥獣は同一年度中にすでに交付を受けた世帯が対象外、岡崎市の鳥獣害対策は同じ場所への再設置が前回交付から5年以内なら対象外です
  6. ⚠️推薦・所属が要る制度がある。豊橋市の狩猟免許は広域狩猟連合豊橋会長等の推薦、岡崎市の狩猟免許は猟友会への所属と会長等の推薦、豊橋市のアグリテックは豊橋アグリミートアップパートナー農業者であることが条件です。
    申請の前に人に会う工程が入ります

まとめ:愛知は「いつ動くか」で取れる額が決まる

  • 4月1日に動く=新城市の鳥獣(3.5万円)/碧南市(先着・最大50万円)/田原市の2件
  • 前年12月〜1月に動く=豊田市農業チャレンジ推進(1/2・100万円)
  • 期間後でも聞いてみる=豊橋市豊橋産農産物活用推進(予算がある限り受付)
  • イチジク・ナシを始める/継ぐ=安城市(新規100万円/継承20万+50万)
  • 狩猟免許を取る=⭐豊橋市(10/10・全額)/岡崎市(診断書料も対象)
  • チェーンソーの資格を取る=⭐豊橋市(1/2・1.5万円・個人可)
  • スマート農業を入れる=豊橋市(⭐サービス利用料も可・停止中)/田原市(1/3・40万円・リース不可)
  • 牛を導入する=新城市(⭐1頭5万円・個人可)
  • 荒れた農地を借りる=知多市(⭐10aあたり3万円)
  • 産地として大きく投資する=愛知県あいち型産地パワーアップ(⭐⭐3,600万円。
    ⚠️産地要件あり・市町村経由)

鳥獣の柵と狩猟免許は鳥獣被害対策の補助金資格・免許の補助は免許・資格取得の補助金あわせてどうぞ。
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