🔴 令和8年熊本地震で被害を受けた方へ。この記事は平時の就農・機械・施設の補助金まとめたもので、災害復旧の制度ではありません。
被災された方は令和8年熊本地震 被災農家が使える支援まとめご覧ください。
すぐやることは①片づける前に写真を撮る ②市町村に被害を届け出る ③り災証明書を申請する、の3つです。
届け出ていない被害は復旧事業に載りません。

熊本県の農業補助金を19件並べると、金額の大きさより先に目につく共通点があります。

国や県の制度に乗れなかった人を、市町村が受け止めるいう設計です。

和水町の耕作放棄地解消は、国県事業に非該当なら3万円/10a、該当者は2万円/10a
国県に乗れないほうが単価が高いいう逆転が起きています。
宇城市の鳥獣対策は「国・県の補助対象にならない事業」が対象だと要綱に書き、天草市の親元就農奨励金は「国・県・市の同様の事業を受けている場合は対象外」と定めています。

その象徴が親元就農です。
国の経営開始資金は独立自営就農が原則で、親の経営に入る人は対象になりません。
そこを山鹿市が年150万円×3年=450万円天草市が年80万円×3年=240万円拾っています。
親元就農への支援としては全国でも屈指の水準です。

この記事では掲載19件を市町村別に金額つきで整理します。
一覧で見たい方は熊本県の補助金一覧からどうぞ。

熊本の内訳

出し手件数性格
山鹿市4件⭐⭐親元就農に450万円/研修は2年目が倍/ドローン技能認定
天草市・八代市各3件⭐⭐新規就農に500万円・定年就農も対象/⭐晩白柚・学びの旅費
熊本市・玉名市・宇城市各2件⚠️公募は4月の1か月/⭐3年で350万円/⭐国県の受け皿
玉東町・和水町各1件⚠️町の予算は500万円/⭐国県に非該当のほうが高い
熊本県1件⭐いぐさ専用機械(⭐オーバーホールも対象)
⚠️ この件数は当サイトの調査状況を反映した数字です。
熊本県には45の市町村があり、表に出ていない市町村にも制度がある可能性は十分あります。
件数の順位を「手厚さの順位」と読まないでください。

🥇親元就農=国の制度が届かないところに、市が450万円

国の経営開始資金(最大3年で年150万円)は独立・自営就農が原則です。
親の経営に入って一緒に働く「親元就農」は、原則として対象になりません。
しかし実際には、農家の後継者の多くがこの形で就農します。

⭐⭐山鹿市 未来のリーダーづくり支援事業は、そこに年150万円×最長3年=総額450万円出します。
国の制度とほぼ同じ額を、市が単独で用意している形です。

⚠️ 条件は細かく決まっています。
令和5年4月1日以降に新規就農した市内に住所があり就農時の年齢が50歳未満専業農家の親族(2親等以内)と生計を一にしていること、親族のもとで年間1,200時間以上農業に従事し、家族経営協定を締結していること、世帯の前年所得が専ら農業所得であること、市税等の滞納がないこと。
⚠️就農前に農業振興課担い手支援係へ相談してください(随時受付)。

天草市 親元就農奨励金45歳未満が年80万円×最長3年=240万円
注目すべきは45歳以上55歳未満でも年40万円が3年間出ることです。
国の経営開始資金は49歳以下が対象なので、50代前半で親の経営に入る人の受け皿なっています。

⚠️親が熊本県・天草市の認定農業者であること、3親等以内の親族で経営主から専従者給与または給与を受けていること、年間150日以上かつ1,200時間以上の就農が必要です。
⚠️国・県・市の同様の事業を受けている(受けた)場合は対象外=ここでも受け皿型の設計になっています。

熊本市 就農スタートアップ支援事業にも親元就農の後継者を持つ認定農業者申請できる枠があります。
1/2以内・上限100万円で、中古の施設・機械も対象(中古資産耐用年数2年以上。
法定耐用年数を過ぎたものは販売店の2年以上の保証が必要)、機械等の「更新」も対象いう点が使いやすいところです。
⚠️同じ熊本市の夢と活力ある農業推進事業では単純更新が対象外なので、更新ならこちらを見てください。
⚠️年2回公募(令和8年度は第1回が春、第2回が8月3日〜8月31日)で、第1回で採択されている場合は合算で上限100万円です。

⭐⭐天草市(3件):新規就農に上限500万円、定年就農も対象

天草市 新規就農者施設機械等整備補助金上限500万円/世帯(1/2以内)で、市町村単独の新規就農支援としては全国最上位クラスです。

  • 国県事業の採択を受けた場合は補助率7/10以内上がります
  • 農業用施設で国県事業と併用した場合は上限1,000万円
  • 機械・施設だけでなく、家畜の導入、果樹の新植・改植、機械のリース料まで対象

⚠️天草市担い手育成支援協議会の農業研修を修了または履修中であることが条件で、 ⚠️ひとつの機械につき税抜10万円以上。
✅通年受付(予算の範囲内・事業実施前に申請)です。

ハウスは天草市 園芸施設整備等事業で、対象者に「定年就農者を含む農業者」と明記されています(年齢の上限がない)。
補助率は30%が基本で、認定農業者・認定新規就農者は40%、さらに天草市認定農家の会加入かつ収入保険加入なら50%まで上がります。

  • ハウスの建設・更新は上限180万円/10a
  • 災害復旧は240万円/10a(認定なら320万円/10a)
  • 中古ハウスも対象(ただし本体購入費は対象外で、資材費=交換部品代が対象)
  • 高温対策の遮光剤・遮熱剤の塗布、省エネ設備(循環扇・多重カーテン)、暗渠排水(上限30万円)

⚠️原則として園芸施設共済への加入が義務で、ハウス面積おおむね500㎡以上が必要です。
⚠️40%・50%の上乗せは令和8年度〜令和10年度までの期間限定なので、該当する方は早めに動く価値があります。

山鹿市の残り3件:研修は2年目のほうが厚い

山鹿市 農業研修支援事業1年目36万円→2年目72万円と倍になる設計です。
⚠️対象は地域担い手育成センターの研修生で、国の就農準備資金(最大年165万円)を受給している人に上乗せする形。
⚠️研修を始める前に農業振興課へ相談してください。

山鹿市 地域農林業担い手育成支援事業Aタイプが1/2・上限300万円、Bタイプが上限60万円2本立て。
⚠️対象は農林業への従事が5年以内人で、⭐林業も対象に含まれています。
⚠️タイプごとの対象経費の細目は市のページに明記がないため、農業振興課担い手支援係へ確認してください。

山鹿市 農業機械免許等取得補助事業農業用ドローンオペレーター技能認定が1/3・上限60,000円
ドローンの資格に出る制度は多くありません
大型特殊・けん引免許は1/3・上限30,000円です。
🔴受講する前に承認申請が必要で、受けてからでは対象になりません。
⚠️対象は認定農業者または認定新規就農者で、市内に6か月以上住所があること。
⚠️出典ページの最終更新が令和5年度時点なので、最新の内容は農業振興課へ確認してください。

八代市(3件):晩白柚と、学びの旅費

八代市 晩白柚生産支援事業世界最大級の柑橘の産地を支える市単独事業です。
苗木代の1/2以内(上限83本ぶん)新植・改植・補植のどれでも使え、果実の日焼けを防ぐ被覆不織布(タイベック等)も1/2以内(上限250平方メートル)。
高温対策の資材に補助が出るのは珍しいです。
⚠️対象農地が10アール以下の場合は上限が面積で按分されます。
⚠️事前申請が必須で、購入済みのものは対象外。
⚠️事業完了後5年以上、晩白柚の栽培を続ける見込みがあることが条件です。

八代市 農業者生産技術向上研修等支援補助金先進地研修の旅費や研修会・講演会の参加料1/2・上限10万円。
機械や施設ではなく「学びの旅費」を出してくれる数少ないタイプです。
⚠️対象経費は交通費・宿泊費などで、食糧費と消耗品費は除かれます。
⚠️1つの補助対象者につき1会計年度あたり1回まで。
✅対象は農業者団体、または農業者団体もしくは市農業者を代表して研修に参加する人で、個人でも「代表して参加する」形なら対象なります。

規模拡大なら八代市 農地集積対策事業で、機械等の導入が1/2以内。
令和6年4月1日以降に1ha以上の規模拡大で上限100万円 0.5〜1ha未満の拡大で上限50万円です。
中山間地域の農地なら0.2ha以上の拡大で100万円の枠に届きます=平地より要件がぐっと緩い設計。
2回目も申請できます(条件は①1回目から5年以上経過 ②1回目に導入した機械の耐用年数が経過、の両方)。
⚠️令和6年4月以降に就農した認定新規就農者には面積要件の緩和特例があるので、相談する価値があります。

熊本市・玉名市・宇城市

熊本市 夢と活力ある農業推進事業9分野をひとつの公募にまとめた大きな枠です。
低コスト化・省力化・高品質化・スマート化・労働力確保・鳥獣被害対策・家畜防疫・高温対策、そして地震/台風/浸水対策まで含みます。
共同利用機械・施設は1/3で上限500万円、ロボット/ICT/AI農機は1/2で上限500万円。
令和8年度から高温対策技術導入支援新設され(1/3・上限20万円、資材導入は10万円)、防油堤整備が2/3・上限100万円へ拡充されて一体整備する重油タンクも対象になりました。

🔴 公募は毎年4月の1か月間だけです(令和8年度は4/1〜4/30で終了)。
ここを逃すと1年待ちなります。
年度が替わる4月に必ず市ホームページを確認してください。
⚠️既存機械の単純更新と中古品は対象外です(更新なら就農スタートアップ支援事業のほうへ)。

玉名市 農業機械等整備事業25%以内で、トラクター・コンバイン・田植機・乗用管理機は限度額350万円市単独の機械補助としては規模が大きいものです。
⭐農薬散布用ドローン本体(84万円)に加えてドローン技能認定の取得費(5万円)も対象で、ドローン技能認定だけは認定農業者でなくても「農業者」であれば個人で申請できます

⚠️ 機械の申請者は認定農業者であることが必要です。
⚠️令和6〜8年度の3年間で1戸または1団体あたりの補助限度額は350万円。
⚠️トラクター等の普通作機械は耕作面積(作業受託地含む)が5ha以上(団体は10ha以上)、スピードスプレーヤは稼働できる園地が3ha以上必要です。
🔴ドローン技能認定は必ず入校する前に申請してください。入校後の申請は補助を受けられません。
⚠️受付は例年4月ごろの1次と8月ごろの2次の年2回(令和8年度の2次は8月12日〜8月31日)で、予算の範囲内で先着順です。

同じ玉名市の狩猟免許取得費補助金は、その年度に新たに免許を取得した市民に1万円を交付します。
必要書類は狩猟免状・印鑑・通帳の3点だけで、補助金のなかでは最も手続きが軽い部類です。
⭐わな猟免許でも第一種銃猟免許でも同額1万円(⭐天水地区在住なら上限5,000円の過疎補助金が上乗せされ、計最大1万5,000円)。
⚠️「交付を申請する年度に新たに取得した人」に限られ、前年度に取得した免許では申請できません。
⚠️熊本県が実施する狩猟免許試験で取得したものが対象です。

宇城市 農業用機械等共同利用支援事業3/10・上限100万円で、⚠️個人単独では申請できず、構成員3戸以上の団体申請します。
団体の構成員は認定農業者・認定新規就農者でなくても構いません(代表者が認定であればOK)。
付属機器(ウイングハロー等)だけの単独購入も対象なります。
⚠️機械等の税抜価格50万円以上、中古は対象外、導入した機械を共同利用者以外が使うことはできません。

宇城市 有害鳥獣被害防除事業補助金「国・県の補助対象にならない事業、または国県に申請していないが緊急性の高い農地の事業」対象と明記された、はっきりした受け皿型です。
侵入防止柵の1/3・上限10万円で、捕獲わなの購入も対象わな免許取得者も対象者に含まれます
🔴必ず購入前に農政課農業経営係へ連絡してください。

町の2件と、県のいぐさ

和水町 農業振興補助熊本の性格がいちばん端的に出ている制度です。
耕作放棄地の解消が国県事業に非該当なら3万円/10a、該当者は2万円/10a
国県の事業に乗れないほうが、町の単価は高くなります。電気防護柵は1/2以内・上限30万円/戸です。

玉東町 農業機械等整備事業一律25%以内(スピードスプレーヤ・トラクター等は限度額150万円、ハウス自動開閉装置は15万円)。
🔴町全体の予算が500万円しかありません。達すると年度途中で受付終了になります(例年4月下旬から12月中旬までの長期受付)。
⚠️3年間で1戸あたり150万円が上限、⚠️見積書は3社分が必要で最低見積額で申請、 ⚠️中古・付属品は対象外、 ⚠️補助金交付後5年間は認定農業者であり続ける必要があります。

💡この制度のページには「トラクター・コンバイン等は小型特殊自動車として軽自動車税(年2,400円)が別途かかる。
公道を走らなくても課税される」
いう注意もあります。
買ったあとに毎年かかる費用として頭に入れておいてください。

県の制度として掲載しているのは熊本県 いぐさ・畳表生産体制強化支援対策事業1つです。
全国の畳表のほとんどを作る熊本ならではの県単独事業で、補助率1/2以内。

  • 専用機械導入支援=色彩選別機等、QRコードタグ挿入装置付きの畳表織機、いぐさ杭打機の新規導入
  • 専用機械機能強化支援=いぐさ乾燥機と畳表織機のオーバーホール+機能強化赤外線サーモグラフィカメラと乾燥温度モニタリング装置の導入

既存の機械を延命する枠があるのがこの事業の特徴です。
いぐさの専用機械は生産中止が進んでいて、壊れても買い替えられないいう産地の実情に対応しています。
⭐事業主体に「農業者(地域計画における担い手に位置付けられた者)」が明記されており、農協や団体だけでなく個人の農家も事業主体になれます。
⚠️申請は市町村を通じた要望調査の形で、要望調査は事業実施を担保するものではありません
⚠️財産処分の制限があります。

熊本で申請するときの注意点

  1. 🔴「国県に申請したか」を先に聞かれる制度がある。和水町・宇城市・天草市の親元就農はいずれも国県との関係で条件や単価が変わります。
    国や県の制度を先に検討したうえで市町村へ相談する順番になります。
    国の制度から外れた場合は国の補助金から落ちた人が使える県・市町村の制度あわせてどうぞ
  2. 🔴受講・購入・入校の「前」に申請する。山鹿市のドローン技能認定は受講前の承認申請が必要、玉名市も入校前の申請が必須、宇城市の鳥獣は購入前の連絡、八代市の晩白柚は事前申請が必須です。
    後から出しても通りません
  3. 🔴公募が4月の1か月だけの制度がある。熊本市の夢と活力ある農業推進事業は毎年4月の1か月間のみ。
    ⚠️玉東町は町全体の予算が500万円で年度途中に終了、玉名市は先着順、八代市の農地集積は予算がなくなり次第終了です
  4. ⚠️年齢の上限が制度で違う。山鹿市の親元就農は50歳未満、天草市の親元就農は55歳未満、天草市の園芸施設整備は定年就農者も対象で年齢の上限なし
    自分の年齢で使える制度は変わります
  5. ⚠️認定農業者かどうかで入口が変わる。玉名市の機械は認定農業者が必要(ただしドローン技能認定は不要)、宇城市の共同利用は代表者が認定であればよい、山鹿市の免許補助は認定農業者・認定新規就農者が対象です。
    認定農業者の記事条件を確認しておくと選択肢が広がります
  6. ⚠️あとから戻す条件がある。八代市の農地集積は事業実施の翌年度から5年間の報告が必要で、 5年以内の合意解約や耐用年数内の処分は返還対象。
    玉東町は交付後5年間、認定農業者であり続ける必要があります

まとめ:熊本は「国の制度から外れたか」で探す

  • 親の農業を継ぐ=⭐⭐山鹿市(年150万円×3年=450万円・50歳未満)/天草市(45歳未満240万円・⭐45〜55歳未満も年40万円×3年)
  • 新規就農して機械・施設を入れる=⭐⭐天草市(500万円・国県併用で1,000万円)
  • 定年後に就農する=天草市園芸施設整備(⭐年齢の上限なし)
  • 研修から入る=山鹿市(1年目36万円→⭐2年目72万円)
  • 中古や更新で機械を入れる=熊本市就農スタートアップ(⭐中古・更新も可)
  • 規模を広げる=八代市(⭐中山間なら0.2haで100万円の枠)
  • ドローンの資格を取る=山鹿市(1/3・6万円)/玉名市(⭐認定農業者でなくても可)
  • 狩猟免許を取る=玉名市(⭐必要書類は狩猟免状・印鑑・通帳の3点だけ。
    天水地区なら計最大1万5,000円)
  • 国県の補助に乗れなかった=和水町⭐非該当のほうが高い)/宇城市の鳥獣(⭐受け皿と明記)
  • いぐさを続ける=熊本県(⭐オーバーホールで既存機械を延命できる)

鳥獣の柵と狩猟免許は鳥獣被害対策の補助金資格・免許の補助は免許・資格取得の補助金あわせてどうぞ。
掲載中の制度は熊本県のページみのり補助金ナビの検索から探せます。

あらためて、令和8年熊本地震で被害を受けた方は被災農家が使える支援まとめご覧ください。いま必要なのは補助金の比較より、市町村の窓口への連絡です。