千葉県の農業補助金には、はっきりした特徴が2つあります。

1つは、旭市が「独立」「親元」「雇用」という3つの就農の形を、それぞれ別の制度で拾っていること。
とくに雇用就農に月5万円出す制度は数が多くありません。
もう1つは、県が「人を雇う側」を支えていることで、被雇用者の居住施設に上限300万円いう枠を持っています。

この記事では掲載21件を市別に金額つきで整理します。
一覧で見たい方は千葉県の補助金一覧からどうぞ。

千葉の内訳

出し手件数性格
千葉県7件⭐雇う側を支える。品目別の産地支援も
旭市5件⭐独立・親元・雇用の3形態を別々に支援
匝瑳市5件⭐免許・耕作放棄地・狩猟と実費に強い
成田市2件⭐住宅費まで対象。防護柵は上限2万円
千葉市・香取市各1件法人向けに上限2,000万円/研修に年10〜12万円
⚠️ この件数は当サイトの調査状況を反映した数字です。
千葉県には54の市町村があり、表に出ていない市町村にも制度がある可能性は十分あります。
件数の順位を「手厚さの順位」と読まないでください。

⭐旭市:就農の「形」で3つに分かれている

就農の形制度金額
独立して就農新規就農者支援事業機械・施設50万円+⭐農地賃借料20万円
親元に入る親元就農チャレンジ支援金年20万円×最長5年=100万円
⭐雇われて就農転入者農業チャレンジ支援金月5万円×最長3年=180万円

雇用就農が対象になるのがこの3つ目です。国の経営開始資金は独立・自営就農が原則なので、雇われて働く形はこうした市の制度でしか支援を受けられません。
⚠️旭市へ転入したことが要件(令和3年4月1日以降の転入・雇用就農)で、まず雇われて働くという、就農のハードルがいちばん低いから使えます。

独立就農向けの制度は、機械・施設の取得50万円に加えて農地の賃借料にも20万円出ます。
固定費を直接下げられる設計です。

旭市にはほかに農林水産業後継者育成事業研修参加費に25万円以内・講演会経費に10万円以内。
機械ではなく「学ぶ費用」が出る制度は多くありません。
50歳未満が対象)と、こだわり旭ブランド創出支援事業(1/2・上限50万円。
⚠️法人または3戸以上の団体対象で個人単独は不可)があります。

成田市:住まいの費用まで見る

新規就農者等就農支援補助金1/2以内・上限40万円ですが、対象経費の幅が特徴的です。

  • 住宅取得費・住宅等リフォーム費用・住宅等賃借費対象。
    就農にともなう住まいの費用まで見てくれます
  • ⭐機械・施設・資材は「取得」だけでなく「賃借」も対象
  • 親元就農者も対象(市内に農用地の所有権または利用権を持つことが条件)
⚠️ 1回限り制度です。
経営開始から5年以内・開始時50歳未満、交付年度から5年以上市内で営農継続することが条件。
国等から給付金の交付を受けている経費は対象外なので、就農準備資金・経営開始資金との重複に注意してください。
必ず経費の購入前に申請必要です。

移住して就農する場合、住まいは借りるだけでなく空き家を引き継ぐ形になることもあります
納屋や蔵に前の住人の家財が残っていると、片づけ費用が最初の出費になりがちです。

成田市のイノシシ等防護柵設置費補助金1/2・上限2万円と小さめですが、電気柵1台分の負担を半分にできます。
⚠️購入前の申請が必須で、耐用年数5年以上の柵であることが条件です。

匝瑳市(5件)=免許・耕作放棄地・狩猟に実費で出す

  • 農耕車用大型特殊免許等取得助成金=上限2万円。
    大型特殊免許・けん引免許の取得費への助成は全国的にも珍しい制度です。
    ⭐自動車教習所だけでなく千葉県立農業大学校での取得費用も対象で、受検手数料・免許証交付手数料も含みます
  • 耕作放棄地再生事業補助金10アールあたり10万円(または経費の1/2の低いほう)。
    自力施工でも対象なり、労務費は公共工事設計労務単価、自己所有機械の損料は土地改良工事積算基準で算出されます。
    ⚠️着工前の申請が必要で、再生後5年以上の耕作が条件
  • 農業後継者新規就農支援助成金セミナーを受講するだけで定額10万円
    ⭐必要書類は申請書・納税に関する書類・誓約書の3点だけと手続きが軽い部類です(⚠️49歳以下・海匝農業事務所のセミナー受講者)
  • 狩猟免許取得促進事業=講習料1万円+試験手数料5,200円で合計最大15,200円=わな猟免許の取得費用がほぼ賄えます。
    ⭐申請書は「交付申請書兼実績報告書」の1枚で済みます
  • 有害獣防護柵設置事業=資材費の1/2・上限4万円。
    ⚠️受益農地10アール以上設置延長100メートル以上計画が条件で、工事費・労務費は対象外です

県の7件:人を雇う側を支える2つ

農業就業環境改善支援事業上限が用途で2段階に分かれています。
休憩施設・更衣室・トイレ・シャワー・バリアフリー施設が50万円被雇用者の居住施設は300万円
補助率は法人1/3以内・個人1/4以内で、法人のほうが高く設定されています。

⚠️ 「新たに高齢者・女性・障害者等を雇用する見込みがあること」が採択要件で、既存の従業員向けの整備だけでは対象になりません。
⚠️前年度のうちに市町村へ要望を出す方なので、思い立った年度に申請しても間に合いません。
事業実施年度の翌年度から3年間、利用状況と雇用状況の報告も必要です。

農業雇用条件改善推進事業定額20万円
就業規則の作成や労働保険の加入という「人を雇う準備」に使えます。
事業2では社会保険労務士など専門家への支払経費に加えて作業環境の改善費も対象。
🔴事業実施年度に「雇用を増加させる」ことが条件で、事業1と事業2は同一年度に両方実施できませんそれぞれ1回限り)。

品目・産地向けの県事業も5つあります。

千葉市・香取市

千葉市 未来の千葉市農業創造事業補助金3/10以内(⭐千葉市奨励品目は5/10以内)・上限2,000万円と規模が大きい制度です。
⚠️対象は市内へ新規参入する農業法人、または加工・流通と連携する農業法人で、実施翌年度から5年間の決算書提出義務があります。

香取市 農業後継者新規就農助成金研修区分により年10万〜12万円を最長3年(⚠️40歳以下千葉県立農業大学校の農業経営体育成セミナー受講が条件)。

千葉で申請するときの注意点

  1. 🔴県の就業環境改善は前年度に要望を出す。思い立った年度に申請しても間に合いません
  2. 買う前・着工前に申請する。成田市の2件も匝瑳市の耕作放棄地再生も、購入・着工の前に申請が必要です
  3. 1回限りの制度が多い。成田市の就農支援、県の雇用条件改善(事業1・事業2それぞれ)はいずれも1回限りです
  4. 国の給付金との重複に注意。成田市は国等から給付金の交付を受けている経費が対象外です
  5. 市税・国保税の滞納がないこと。匝瑳市は5件すべてで市税と国民健康保険税の両方が条件になっています

まとめ:千葉は「就農の形」から探す

  • 雇われて就農する=旭市の転入者農業チャレンジ(月5万円×3年)
  • 親元に入る=旭市(年20万円×5年)/成田市/匝瑳市(セミナーで10万円)
  • 移住して住まいを整える=成田市(住宅の取得・リフォーム・賃借まで対象)
  • 人を雇う=県の2事業(居住施設300万円/就業規則の整備に20万円)
  • 免許を取る=匝瑳市(大型特殊・けん引が上限2万円/わな猟は実費)
  • 荒れた農地から始める=匝瑳市(10アールあたり10万円・自力施工も可)

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