田県の農業補助金には、はっきりした特徴が2つあります。

1つは「認定農業者から外れる層」を正面から狙った設計
北秋田市には認定農業者を対象から「除く」いう逆転の制度があります。
もう1つは研修中の生活費と住まいが手厚いこと。
美郷町は家賃を全額湯沢市と能代市は月10万円出します。

この記事では掲載22件を市町村別に金額つきで整理します。
一覧で見たい方は秋田県の補助金一覧からどうぞ。

秋田の内訳

出し手件数性格
横手市5件⭐融資の保証料を全額補助。園芸・果樹も厚い
美郷町・湯沢市各3件⭐家賃全額/⭐狩猟免許が全額・研修に月10万円
大仙市・北秋田市・秋田市・秋田県各2件⭐北秋田は認定農業者「以外」が対象
由利本荘市・能代市・大館市各1件省力化/研修月10万円/獣害柵は比内地鶏も対象
⚠️ この件数は当サイトの調査状況を反映した数字です。
田県には25の市町村があり、表に出ていない市町村にも制度がある可能性は十分あります。
件数の順位を「手厚さの順位」と読まないでください。

⭐認定農業者「以外」が対象という逆転設計

⭐⭐北秋田市 小規模農家営農継続支援事業は、対象が「市内の認定農業者以外の販売農家」です。
つまり認定農業者は使えません

多くの補助金が「認定農業者であること」を入口条件にするなか、そこから外れる小規模農家を狙って設計された制度です(稲作・畑作・花き栽培用の農業機械が1/3以内・上限30万円)。

⚠️ 申請期間が短いのが最大の注意点です。令和8年度は4月1日〜5月29日で受付終了しました。
上限に達すると期間内でも終了するため、次年度は年度初めに動く必要があります。
申請には見積書とカタログの添付が要ります。

同じ北秋田市の獣害防止対策事業対象者が広く、販売農家は1/2以内、販売農家以外でも1/3以内使えます(1申請あたり上限10万円)。
⚠️ただし北秋田市に所在する販売店等から購入したもの限られ、購入時期も4月1日〜10月31日に限定されています。

⭐研修と住まい:家賃が全額、研修に月10万円

制度金額期間
美郷町 新規就農者支援⭐住居家賃が全額(月5万円まで)最長4年=最大240万円
湯沢市 フロンティア農業者育成月10万円(県農業試験場で研修の場合)2年間=最大240万円
能代市 地域で学べ!農業技術研修費月10万円(定額)研修期間中

美郷町は住居の賃借料が全額(上限月5万円・最長4年)に加えて、農地等の賃借料も1/2以内・年上限15万円(最長4年)。
両方をフルに使うと最大300万円規模になります。
⚠️対象は町外から転入して町内で新規就農する認定新規就農者です。

湯沢市は研修先で金額が変わります
秋田県農業試験場(秋田市雄和)なら月10万円、その他の研修先は月7万5,000円。
⚠️国の就農準備資金を選んだ場合は対象外(どちらか一方)で、研修終了後1年以内に就農しないと返還、就農後も交付期間の1.5倍(最低2年)続けないと返還になります。

美郷町にはもう1つ、新規就農者経営安定支援事業あり、種子・肥料・農薬などの資材費に上限10万円出ます(新規就農後3年目まで)。
資材費に直接出る制度は珍しく、機械の補助とは別枠で使えます。

⭐湯沢市の狩猟免許は「新規取得が全額」

狩猟免許・猟銃所持許可の取得更新費補助は、新規取得が全額(上限15万円)更新も半額です。

対象経費の幅がとても広いのが特徴で、猟銃等講習会の受講申込手数料、身分証明書の発行、各種手数料、医師の診断料、証明写真代、猟銃所持許可の更新手数料、認知機能に関する手数料、射撃教習費さらに銃と罠以外の備品購入費まで含みます。

⚠️ 対象は湯沢市鳥獣被害対策実施隊の隊員または猟友会に所属し実施隊の隊員となることに同意する人に限られます。
免許を取るだけでは対象になりません。
市税の滞納がないことも条件です。

湯沢市の鳥獣被害防止対策事業電気柵の資材購入費が1/2以内で、定額の上限が設けられていません(予算の範囲内)。
⚠️申請前に購入・設置したものは対象外です。

大館市の農作物等獣害防止防護柵設置費補助1/2以内・上限10万円で、対象作物に比内地鶏が入っています家きんを獣害柵の対象にしている例は多くありません)。
🔑担当は農政課ではなく林政課森林整備係なので、農政のページを探しても見つかりません。

横手市(5件)=融資の保証料が全額、園芸と果樹も厚い

  • 農業経営安定化対策資金(マル農資金)=市独自の融資あっせん制度で、秋田県農業信用基金協会への保証料を全額補助
    さらに認定新規就農者は融資実行後2年間、利子の1/2相当を助成
    融資限度は個人1,000万円・団体1,500万円で、 ⭐肥料・農薬などの運転資金にも使えます
  • 高収益作物導入推進事業=重点振興8品目(すいか・ねぎ・えだまめ・アスパラ・トマト・きゅうり・ほうれんそう・花き)の新規作付/規模拡大が2/3・上限60万円(⭐新規就農者は80万円)。
    維持やその他作物は1/2・上限40万円
  • 果樹産地再生等事業=高所作業車・SS・選果機などが1/3・上限30万円。
    ⭐生産資材は市推奨の「横手モデル」仕様なら上限なしその他は上限20万円)。
    土壌改良材などの圃場改良は1/2
  • 未来農業推進事業=3/10以内・経営体上限150万円(コンバイン150万・田植機100万・自動操舵30万/台の品目上限)。
    横手米品質向上対策事業色彩選別機が15%以内(農業者30万円・法人50万円)

秋田市・大仙市・由利本荘市・美郷町の残り

  • 秋田市 6次産業化支援=⭐農家民宿等の新規開業が対象(1/3・上限100万円)。
    6次産業化の補助で宿泊業まで見る自治体は多くありません。
    ⭐加工施設は補助率が金額で切り替わる設計で、 400万円までの部分が1/2、超える部分が1/3(上限400万円)。
    ⭐対象者に「農林漁業者(個人)」が明記されています
  • 秋田市 スマート農業導入支援事業=機械1/3・上限100万円/台、ドローン資格も1/3・10万円/人
    ⚠️個人単独では申請できず(法人か3人以上の団体)、水稲作業面積15ha以上などの重い成果目標があります
  • 大仙市 経営継承後継者支援親元の稲作経営を継承した18歳以上50歳未満認定農業者等に田植機45万円・コンバイン75万円(1/6以内)。
    大規模農業法人支援水稲・大豆30ha以上の認定農業法人向けで1/4以内
  • 由利本荘市 担い手確保・省力化支援=直進アシスト田植機・ドローン・水管理システムが1/3以内・上限50万円
  • 美郷町 循環型農業土づくり応援事業=⚠️町の堆肥センターの「美郷の大地」限定市販の堆肥は対象外(1/3以内・10aあたり5,000円)。
    対象作物も特別栽培米・美郷推進作物・美郷ブランド作物(美郷雪華・セリ・レンコン)などに限られます

県の2件:畜産と園芸で「新規参入者」を優遇

稼ぐ畜産経営体ステップアップ応援事業1/3以内・上限1,000万円ですが、新規参入者は1/2以内・上限1,500万円上がります。
機械・施設整備、家畜導入、スマート農業機械、暑熱対策・省エネ機器が対象です。

稼ぐあきたの園芸経営体応援事業4メニュー(園芸メガ団地1/2/収益向上1/3/新規就農1/3/気象変動対策1/3)。
⭐こちらも新規就農メニューのうち「新規参入者」は1/2と、農家出身者(1/3)より優遇されます。

🔴 前身の「夢ある園芸産地創造事業」は令和7年度で終了し、令和8年度からこの事業に切り替わっています。
⚠️1件あたりの上限額を県が公表していません
市町村が策定する「稼ぐ園芸拡大計画」に位置づけられた農業者であることが前提なので、まず市町村へ相談する順序なります。

秋田で申請するときの注意点

  1. 受付が春で終わる制度がある。北秋田市の小規模農家支援は令和8年度が5月29日で受付終了しました。
    初めに動く必要があります
  2. 購入先や購入時期が指定される。北秋田市の獣害柵は市内の販売店から、かつ4月1日〜10月31日の購入に限られます
  3. 買う前に申請する。湯沢市の電気柵も大館市の獣害柵も、申請前・承認前に購入すると対象外です
  4. 併給不可と返還条件を確認する。湯沢市の研修奨励金は国の就農準備資金とどちらか一方で、就農しなかった場合や継続しなかった場合は返還です
  5. 担当課が農政課とは限らない。大館市の獣害柵は林政課森林整備係です

まとめ:秋田は「認定なし」「研修中」から探す

  • 認定農業者ではない=北秋田市(認定農業者は対象外の逆転設計)
  • 研修中の生活費=湯沢市(月10万円)/能代市(月10万円)
  • 移住して就農する=美郷町(家賃全額+農地賃借料1/2)
  • 狩猟免許を取る=湯沢市(新規取得が全額・射撃教習費まで)
  • 融資を使う=横手市のマル農資金(保証料全額+利子1/2助成)
  • 新規参入で畜産・園芸を始める=県の2事業(新規参入者は補助率が1/2に上がる)

掲載中の制度は秋田県のページみのり補助金ナビの検索から探せます。