補助金は自分が対象かどうか調べるのが普通です。
岡山では、それだけでは足りません。

掲載16件のうち6件が、自分ひとり・自分の農地だけでは使えない設計になっています。

  • ⭐井原市の6次化は市内農家3戸以上のグループ要件(個人単独では申請できません)
  • ⭐岡山市の有機・減農薬は2戸以上の認定農業者、または3戸以上の営農集団
  • ⭐倉敷市の耕作放棄地と畦畔除去はどちらも自己所有地だけでは対象外他人の農地・借りている農地前提
  • ⭐真庭市の機械は個人でも使えますが、共同購入だけ上限が200万円上がります
  • ⭐県のドローン支援は補助金の申請者が請負事業者側=農家は事業者を通して使います

つまり岡山で最初に決めるのは、金額でも要件でもなく「誰と組むか」「誰の農地でやるか」です。
逆に言えば、近隣2戸と組むだけで開く枠があるいうことでもあります。

金額で目を引くのは、⭐⭐真庭市が研修生用住宅に1棟175万円出すこと。
就農者の住まいまで見る制度は多くありません。

この記事では掲載16件を出し手ごとに金額つきで整理します。
一覧で見たい方は岡山県の補助金一覧からどうぞ。

岡山の内訳

出し手件数性格
岡山市6件⭐移住は年齢上限なし1/2・100万/⚠️有機は2戸以上/⭐奨励金は林業・漁業も
井原市3件⭐後継者に月10万×2年/⭐ワインは苗木から醸造まで/⚠️6次化は3戸以上
倉敷市3件⚠️畦畔除去は抽選/⭐荒れ地の再生は認定なしでも/⭐仮設トイレ1点に絞った補助
真庭市2件⭐⭐研修生住宅1棟175万円/⭐共同購入なら機械の上限が200万円
高梁市・岡山県各1件⭐事業費5万円から・中古機械も可/⭐ドローンは買わずに試せる
⚠️ この件数は当サイトの調査状況を反映した数字です。
岡山県には27の市町村があり、表に出ていない市町村にも制度がある可能性は十分あります。
件数の順位を「手厚さの順位」と読まないでください。

🥇⭐⭐岡山は「誰と組むか」で使える枠が変わる

井原市 農産物6次化チャレンジ事業補助金は、地元農産物を使った6次産業化を1/2以内・上限50万円(継続が認められれば最長3年間)で支援します。
⚠️申請できるのは市内農家3戸以上のグループ、農協、農地所有適格法人、市長が認定した団体です。
個人単独では申請できません。

ただし近隣2戸と組めば要件を満たせるので、実務上のハードルはそれほど高くありません。
栽培から加工・販売までを一体で組めるのが強みです。

⚠️ 施設等の整備(不動産の取得を含む)を主な目的とする事業は対象外 ⚠️個人の利益のみを目的とした事業も対象外です。
窓口は井原市農林課農政係(0866-62-9522)。

岡山市 環境にやさしい農業推進事業費補助金3つのメニューを持っています。

  • ①新規育成事業=有機JASの新規認証取得費1/2・上限10万円
  • ②環境保全型資材導入促進事業=慣行から3割以上減らすための資材1/4・上限30万円
  • ③有機農業促進事業=⭐有機農業を行うための機械購入1/4・上限25万円

⚠️①②は「2戸以上の認定農業者・認定新規就農者・地域計画の担い手、または3戸以上の営農集団」が事業主体で、個人単独では申請できません。
⭐一方(機械)にはグループ要件がなく岡山市内の有機JAS認証事業者およびこれに属する農業者が対象です。

💡 順番としては、①で認証費の補助を受けて有機JASを取り、そのあと③で機械、という流れが自然です。⚠️化学肥料・化学合成農薬の使用を岡山県の慣行レベルから3割以上低減することが要件、 ⚠️有機JAS認証費は新規認定に係るものに限り交通費・宿泊費は対象外、 ⚠️資材導入は当該年度の3月末日までに生産記録の提出が必要(有機JAS認証ほ場なら省略可)。
⚠️事前に事業計画書を提出して承認を受けてから着手してください。
有機の制度全般は有機・自然栽培で就農するときの補助金どうぞ。

「自分の農地」では使えない2件(倉敷市)

倉敷市 耕作放棄地対策事業費補助金は、市の枠なら「農業者であること」だけが条件で、耕作者の要件がありません。認定農業者などを持っていなくても対象になります。
補助率は事業費の1/4(最大)、県事業を活用すると1/2(最大)
補助額の上限は10アールあたり25,000円です。

⚠️ 自己所有地は原則対象外で、他人の耕作放棄地を再生する制度です。⚠️対象農地は農業振興地域内で、農地法第32条第1項第1号に規定する農地に限られます。
⚠️県事業を使う場合は、耕作者が新規就農者(就農後5年以内かつ年度開始時点で65歳未満)か認定農業者であること、農用地区域内であることの条件が付きます。
🔴交付決定の前に着手すると対象外です。

倉敷市 畦畔除去補助金は、借りている水田の畦畔を取り除いて区画を広げる費用に 10アールあたり25,000円(上限は年度あたり10万円)。
こちらも⚠️自己所有地のみを対象とした整備は対象外です。

⚠️⚠️ 配り方が珍しく、「事前申込 → 申込が予算額を超えた場合は抽選 → 当選者だけが交付申請できる」というです(令和8年度の事前申込期間は7月1日〜9月4日)。
申込期間を逃すとその年度は参加できません。⚠️畦畔除去後の1区画が20アール未満だと対象外、⚠️市街化区域内の農地も対象外、 ⚠️除去後に隣接していた2筆以上を5年間以上耕作する意思と、⚠️農地所有者の同意が必要です。
💡外れる前提で年度の計画を立てず、当たったら進める程度に構えておくのが現実的です。

⭐共同購入だけ上限が2倍になる(真庭市)

真庭市 農業機械・スマート農業機械等整備支援事業補助金は、区分によって補助率と上限が大きく変わります。

区分補助率上限
通常農業機械(30万円以上)1/6以内80万円
スマート農業機械/個人(認定農業者・認定新規就農者)1/3以内100万円
スマート農業機械/集落営農・農事組合法人1/2以内100万円
⭐スマート農業機械/複数組織の共同購入1/2以内⭐200万円

同じ機械でも、ひとりで買うか、組織で買うか、複数組織で買うかで上限が変わります。⚠️スマート機械は本体50万円以上が対象、 ⚠️一度交付を受けると3年間は再申請できません ⚠️作業計画に対して性能が過大な機械は対象外・他の公的補助との併用不可です。

岡山県 農業支援サービストライアル事業は、ドローンによる防除・施肥を「初めて利用する」場合の作業料金を支援するお試し事業です。
自分で機体を買わずにスマート農業を試せます。⚠️ただし補助金の申請者はドローンの請負事業者側で、農家は事業者経由で割安に利用する形になります。
⚠️薬剤費・肥料代そのものは対象外(作業料金のみ)。
⚠️令和8年度の第1次募集は7月31日で終了しており、第2次の有無は県農産課(086-226-7424)確認してください。

🥈⭐⭐真庭市は、就農者の住まいまで見る

真庭市 ハイブリッド産地育成推進事業費補助金は、ぶどう産地の育成のための市単独事業です。
機械・施設整備(防除機、果樹棚、ハウス、防風ネット、かん水設備、集出荷作業場など)が2/3以内と手厚いのですが、目を引くのはその先です。

  • ⭐⭐研修生用住宅の建築・改修に1棟(戸)あたり上限175万円。就農者の住まいまで見る制度は多くありません
  • 研修ほ場の設置は10アールあたり10万円の定額
  • 受入体制整備(検討会・研修会の開催、産地紹介など)は1/2以内

機械・施設・ほ場・住まい・受け入れ体制までを一本の要綱で揃えているところが特徴で、「人を呼んで育てる」ところまで産地育成として設計されています。

🔴 対象は「ぶどうの生産を行う市内の農業者」またはその支援を行う農協・農業団体です。
⚠️真庭市ハイブリッド産地整備計画に位置づけられた事業であることが条件なので、まず計画への位置づけを農業振興課へ相談してください。
⚠️事前着手は認められません(やむを得ない場合は届出が必要)。
⚠️事業完了後30日以内に実績報告、関係書類は5年間保存が必要です。

井原市の残り2件:後継者とワイン

井原市 農業後継者就業交付金月額10万円を2年間=最大240万円
後継者向けとしては全国的にも大きい額です。
⚠️45歳未満であること、⚠️市内で専ら農業で生計を営む農家の継者であること、 🔴5年以内に経営権を承継すること ⚠️現経営者が事業承継を承諾していること、⚠️市税等に滞納がないことが条件です。

🔴 「5年以内の経営権承継」と「現経営者の承諾」が要件なので、承継の段取りを親と決めてから申請する制度です。
気持ちだけでは通りません。
市も事前相談を求めています(農林課 0866-62-9522)。

井原市 ワイン産業創出事業補助金は、ワイン用ぶどうの苗木購入から栽培施設の整備、醸造、販路拡大まで一貫して対象(1/2以内・上限50万円、継続が認められれば最長3年間)。
特定作物のワイン化に絞った補助は全国的にも珍しいものです。
✅個人農家も対象になります。

⚠️ 各号の事業経費は単年度限りです(同じ費目を繰り返しては使えません)。
3年間使うならメニューを変えていく設計が要ります——たとえば1年目に苗木、2年目に栽培施設、3年目に販路、という組み方です。
⚠️不動産の取得を目的とするハード事業は対象外。

岡山市の新規就農は3本立て

岡山市 UIJターン園芸農業者支援事業補助金は、県外から移住して果樹・野菜・花きを始める人に1/2・上限100万円。
トラクター・動力噴霧器・園芸用ハウス・果樹棚・農業資材・永年性作物の種苗まで対象で、初年度と翌年度の2回に分けて使えます。

  • 年齢要件は「18歳以上」だけ。
    上限がありません
    (50代・60代の移住就農でも使えます)
  • ⚠️国の経営開始資金・雇用就農資金・経営継承発展支援を現に受けておらず、過去にも受けていないこと
  • ⚠️経営農地の過半を親族から取得している場合は上限が50万円に下がります
  • ⚠️農業大学校の卒業や農業実務研修の修了など、一定の農業技術の習得必要
  • ⚠️3年後に農業収入100万円以上・年間従事日数100日以上目標とする就農計画の認定が要ります
  • ⚠️軽トラック等の汎用性の高いもの、1年以上の継続使用に耐えない資材は対象外

岡山市 新規就農者サポート事業補助金は、国の新規就農者育成総合対策に市独自で上乗せ・補完するもの。
老朽化ハウスの撤去費・農地の賃料・大型特殊やけん引の資格取得費・研修費まで見てくれます(1/8〜3/4・区分別上限125万円または62.5万円)。
就農初期に「補助の対象になりにくい出費」を拾う設計です。

岡山市 農林漁業就業奨励金39歳以下に定額10万円。
継ぎ型・経営分離独立型・新規参入型のどれでも同額で、農業だけでなく林業・漁業も対象です。
昭和60年から続く制度で、⭐奨励金は関係機関の代表者の立ち会いのもと市長から直接手渡されます。

⚠️ 申請期限は毎年11月15日です。
年度末ではありません。
⚠️専業(年間従事日数がおおむね250日以上)として続けていく意志と条件が必要、 ⚠️過去に交付を受けたことがある人は対象外(1人1回限り)、 ⚠️夫婦で該当する場合はいずれか一方のみ、⚠️市税を完納していること。

販路のほうは岡山市 アグリビジネス創出・推進支援事業が、試作品開発・研究に20万円/PR・国内出展に15万円/ ⭐海外出展に25万円(いずれも1/2以内)。
岡山市 スマート農業推進モデル事業補助金自動操舵システム・農業用ドローン等が1/4以内・上限20万円です(⚠️情報端末・運用費・消費税は除く)。

残りの2件:仮設トイレと、5万円からの機械

倉敷市 農福連携推進事業費補助金は、補助対象を「仮設トイレの購入・設置」1点に絞った珍しい制度です(税抜の1/2以内・最大10万円、⚠️1経営体につき1回限り)。

障がいのある人と一緒に働こうとしたとき、最初に詰まるのがトイレです。ほ場の近くに使える設備がないと受け入れそのものが成り立たない。
そこだけを名指しで見るいう割り切りが効いています。

⚠️ 対象は認定農業者または認定新規就農者で、市内に住所(法人は主たる事業所)があること。
⚠️事業実施の翌年度末(令和10年3月31日)までに、障がい者の雇用または就労継続支援事業者等への農作業委託契約を行うことが条件です=トイレだけ設置して終わりにはできません。
⚠️仮設トイレは市内に設置するものに限られます。

高梁市 農業用機械導入支援事業補助金認定新規就農者が1/2・年度上限50万円、認定農業者・販売農家が1/3・上限10万円、集落営農組織・農業法人が1/2・上限50万円。
事業費5万円以上から対象=少額の機械でも使えます。中古機械も法定耐用年数が4年以上残っていれば対象です。

⚠️ 市内の販売業者から購入することが条件で、市外・ネット購入は対象外です。
⚠️購入前の申請が必須・年度内1機械1回のみ、⚠️市税完納が条件。
⚠️令和8年度分は予算到達で受付終了しているので、次年度募集を待つことになります(農林課農業振興係 0866-21-0223)。

岡山で申請するときの注意点

  1. 先に「誰と組むか」を決める。井原市の6次化は農家3戸以上、岡山市の有機・減農薬は2戸以上の認定農業者または3戸以上の営農集団。
    近隣2戸に声をかけるところから始まる制度があります
  2. ⚠️自分の農地では使えないものがある。倉敷市の耕作放棄地対策は自己所有地が原則対象外、畦畔除去も自己所有地のみの整備は対象外。
    借りている農地・他人の農地でこそ効く制度です
  3. ⚠️抽選の制度がある。倉敷市の畦畔除去は事前申込制で、予算超過なら抽選、当選者だけが交付申請できます
    申込期間(令和8年度は7月1日〜9月4日)を逃すとその年度は参加できません
  4. 🔴買う前・着手する前に申請する。高梁市の機械、倉敷市の耕作放棄地、真庭市のハイブリッド産地はいずれも事前着手が認められません
  5. ⚠️締切が年度末ではないものがある。岡山市の就業奨励金は毎年11月15日高梁市の機械は令和8年度分が予算到達で受付終了しています
  6. ⚠️先に通す計画がある。真庭市のハイブリッド産地は市の産地整備計画への位置づけ岡山市のUIJターンは就農計画の認定井原市の後継者交付金は5年以内の経営権承継と現経営者の承諾前提です
  7. 💡国の給付を受けていないことが条件のものがある。岡山市のUIJターン園芸は国の経営開始資金等を過去にも受けていないことが要件で、そのぶん年齢の上限がありません
    国から外れた場合の探し方は国の補助金から落ちた人が使える県・市町村の制度どうぞ

まとめ:岡山は「組む相手」と「農地の持ち主」から探す

  • 近隣と組んで加工に進む=⭐井原市の6次化(1/2・50万円・最長3年。
    ⚠️農家3戸以上)
  • 有機・減農薬に進む=⭐岡山市(認証費1/2・10万/資材1/4・30万。
    ⚠️2戸以上)+⭐機械1/4・25万(⭐こちらはグループ要件なし)
  • 他人の荒れ地を再生する=⭐倉敷市(10aで25,000円。
    ⭐県事業を使えば1/2。
    ⭐市の枠は認定なしでも可)
  • 借りた田の区画を広げる=倉敷市の畦畔除去(10aで25,000円。
    ⚠️⚠️抽選・申込は7〜9月)
  • 機械を共同で買う=⭐真庭市(複数組織の共同購入なら1/2・上限200万円)
  • ドローンを買わずに試す=⭐県のトライアル(⚠️申請するのは請負事業者側)
  • 研修生を受け入れる=⭐⭐真庭市(住宅1棟175万円・研修ほ場10aで10万円。
    🔴ぶどう限定)
  • 親の経営を継ぐ=⭐井原市(月10万×2年=240万円。
    🔴5年以内の承継と現経営者の承諾)
  • ワインをつくる=⭐井原市(苗木から醸造・販路まで1/2・50万円。
    ⚠️同じ費目は単年度限り)
  • 移住して園芸を始める=⭐岡山市(1/2・100万円。
    ⭐年齢上限なし。
    ⚠️国の給付を受けていないこと)
  • 就農初期の細かい出費=⭐岡山市のサポート事業(⭐老朽ハウス撤去費・農地賃料・資格取得費まで)
  • 就業したら受け取る=岡山市の奨励金(39歳以下に10万円。
    ⭐林業・漁業も。
    ⚠️11月15日締切)
  • 障がいのある人と働く準備=⭐倉敷市の仮設トイレ(1/2・10万円)
  • 少額の機械・中古機械=⭐高梁市(事業費5万円から・⭐中古も可。
    ⚠️市内業者から購入)

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