静岡県の農業補助金には、はっきりした軸が2つあります。

1つは「県と市町が半分ずつ出す」協調助成
荒廃農地の再生作業は県1/2+市町1/2で、条件がそろえば最大で全額なります。
もう1つは暑さ対策で、藤枝市は農作物だけでなく農業者自身の熱中症対策にも補助を出しています。

この記事では掲載22件を市別に金額つきで整理します。
一覧で見たい方は静岡県の補助金一覧からどうぞ。

静岡の内訳

出し手件数性格
掛川市5件⭐栗・鳥獣・ジャンボタニシ・森林と幅広い
藤枝市4件⭐熱中症対策・死亡獣畜処理という珍しい枠
静岡県3件⭐市町との協調助成。再生作業は最大全額
静岡市3件都市農業向け。認定なしの枠もある
富士市3件果樹・6次産業化・GAP
浜松市2件先進的栽培技術に1/2・600万円
磐田市2件⭐レモンの産地化。年5万円の自由枠も
⚠️ この件数は当サイトの調査状況を反映した数字です。
静岡県には35の市町があり、表に出ていない市町にも制度がある可能性は十分あります。
件数の順位を「手厚さの順位」と読まないでください。

⭐県と市町の「協調助成」=荒廃農地の再生は最大全額

荒廃農地再生・集積促進事業費補助金は、県と市町がそれぞれ農業者に出す形の制度です。

  • 再生作業(障害物除去・深耕・整地・あわせて行う土壌改良)=県1/2以内+市町1/2以内最大10/10
  • 農業用用排水施設整備=県1/2+市町1/2
  • 農道の新設・暗きょ排水・客土・廃棄物処理・農業体験施設整備=県1/4+市町1/4
⚠️ 「以内」なので必ず全額になるとは限りません。市町の上乗せ分は市町ごとに決まるため、必ず地元の窓口で確認してください。
⚠️総事業費200万円未満要件で大規模な再生には使えません。
施設補完整備は再生作業と附帯して実施する場合に限られ、単独では使えません。
⚠️事業実施後5年間以上の耕作必要です。

⭐藤枝市(4件)=人の暑さと、避けられない支出に出す

⭐⭐農業高温対策事業費補助金2つの枠に分かれています。

  • 1. 熱中症対策=1/3以内・上限5万円。
    ファン付き作業服・空調服・冷却ベルト・ファン付きヘルメット・防暑タレなど。
    農業者自身の熱中症対策への補助は全国的にも珍しい制度です
  • 2. 農作物高温対策=1/3以内・上限20万円。
    灌水チューブ・スプリンクラー・循環扇・細霧冷房・遮光カーテン・遮光遮熱塗布剤
⚠️ どちらか一方しか申請できません(交付は1年度に1回限り)。
熱中症対策を受けた場合、翌年度は熱中症対策の申請ができません(農作物高温対策は可)。
⚠️熱中症対策品は市内業者からの購入に限られます。⚠️交付決定前に購入したものは対象外なので、必ず発注前に申請してください。
⭐認定農業者でなくても、農産物販売額が年間50万円以上の農業経営体なら対象です。

死亡獣畜処理事業費補助金は、死亡した家畜の運搬・処理費いう避けられない支出に1/2を出します。
畜産農家向けの市単独制度は数が少なく貴重です。
申請書と証明書類の2点だけで済み、通年受付なので発生のつど申請できます(市の例=月齢15か月の牛1頭で処理費と輸送費が計52,000円なら補助26,000円)。

水田フル活用推進事業費補助金転作作物に10aあたり1万円、⭐認定農業者には担い手加算5,000円が上乗せ。
⭐レンゲ・コスモス・菜の花・ひまわりを5a以上作付けすると景観形成助成金が10aあたり1万円(種子購入費も1/2)。
⭐ジャンボタニシ防除は生産調整を達成していなくても申請できます。

市民ふれあい農園整備事業費補助金遊休農地を市民農園にする開設費が対象で、圃場整備だけでなくトイレ・看板・給排水施設・農機具庫まで見ます。
⚠️補助率と上限額を市が公表しておらず交付要綱も例規集にないため、金額は農業振興課への電話(054-643-3266)が唯一の確認手段です。

掛川市(5件)=栗から山林の境界まで

  • 栗圃場整備等事業費補助金栗という単一品目に絞った補助全国的にも珍しい制度。
    土壌改良1/2(10aあたり2万5,000円)+苗木購入1/2(10aあたり4万円=40本)で最大6万5,000円。
    ✅これから始める人も対象。
    ⚠️補植だけ・土壌改良だけは対象外で、新植とセットの制度です
  • 森林総合対策事業=8メニューあり森林所有者個人でも申請できます(1/2以内・上限30万円)。
    森林境界・所有者確定事業山林の所有境界確定(登記情報の整理を含む)に助成し、境界不明で手を付けられない効きます。
    ⭐生活環境周辺森林整備は人家裏山の更新費用に使えます。
    ⚠️受付は4月1日〜12月末の先着順
  • 鳥獣被害防止対策設備設置費補助金=1/3以内・年10万円まで。
    「販売や自家消費を目的として農地を耕作されている方」が対象=自家消費だけの人も使えます
    「被害を受けるおそれがある」場合も対象。
    ⚠️箱わなはわな猟免許の取得者であることが条件
  • 狩猟免許取得費等補助金=新規7,000円・更新2,900円(いずれも1/2以内)。
    更新にも出るのは珍しい設計です。
    ⚠️市の有害鳥獣駆除事業に従事する意思が条件
  • 農作物危害生物駆除事業費補助金=ジャンボタニシ等の駆除に1/3以内(個人10万円・団体20万円)。
    ✅個人で申請でき、電子申請に対応
    ⚠️受付は例年7月末までで、田植え後すぐに動く必要があります

果樹を新しく始める:レモン・栗・かんきつ

⭐磐田市の新たな特産物産地形成支援事業レモン対象です。
障害物除去に年上限300万円、定植から収穫までの「未収益期間の栽培管理」に年上限50万円
果樹でいちばんつらい無収入の期間を支える設計になっています(10a以上に定植が条件)。

富士市の落葉果樹及びかんきつ類特産化支援園整備費1/5(上限30万円)+苗木購入費1/3(上限2万円)で計最大32万円(⚠️苗木10本以上5年以上継続作付け)。

静岡市・浜松市・富士市・磐田市の残り

県のもう2件は、新規就農者受入促進支援事業(1/3以内・各項目150万円。
⚠️単価50万円未満や三親等以内の親族から取得する施設対象外)と、持続的農業経営支援事業費補助金(農業用施設本体の更新に1㎡あたり7,000円、メロン専用ガラス温室は1㎡あたり15,000円・上限700万円)です。

静岡で申請するときの注意点

  1. 市町の上乗せ額を必ず確認する。荒廃農地の再生は「県1/2+市町1/2以内」で、市町次第で自己負担が変わります
  2. 買う前・着工前に申請する。藤枝市の高温対策も掛川市の森林総合対策も、交付決定前に着手すると対象外です
  3. 購入先が指定される制度がある。藤枝市の熱中症対策品は市内業者からの購入に限られます
  4. 締切が早い。掛川市のジャンボタニシ駆除は例年7月末まで。
    田植え後すぐに動く必要があります
  5. 金額が非公表の制度がある。藤枝市の市民ふれあ農園は補助率も上限も公表されておらず、電話でしか分かりません

まとめ:静岡は「県+市町」で考える

  • 荒れた農地から始める=県+市町の協調助成(再生作業は最大全額)
  • 夏の暑さ対策=藤枝市(人に5万円/作物に20万円。
    どちらか一方)
  • 果樹を新しく植える=磐田市のレモン/掛川市の栗/富士市のかんきつ
  • 認定農業者ではない=静岡市の多様な担い手育成/藤枝市の高温対策/掛川市の鳥獣対策
  • 山林に手を付けたい=掛川市の森林総合対策(境界確定も対象)
  • 畜産=藤枝市の死亡獣畜処理(通年受付・書類2点)

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