新潟県の農業補助金には、はっきりした特徴が2つあります。

1つは、受付が年1回の要望調査だけという制度が複数あること。
しかもポイント制やヒアリングで採択が決まる審査制で、出せば通るわけではありません。
5月下旬〜6月逃すと、その年度は申請できないものがあります。

もう1つは、三条市が猟銃そのものに補助を出していること。
免許は全額銃本体は1/2・15万円いう二段構えで、全国的にもほとんど例がありません。

この記事では掲載21件を市別に金額つきで整理します。
一覧で見たい方は新潟県の補助金一覧からどうぞ。

新潟の内訳

出し手件数性格
長岡市・上越市各5件⭐上越は免許・機械・住居のセット。50〜66歳の雇用にも
新潟市4件⭐親元就農は62歳以下に定額100万円
新発田市・三条市各3件🔴受付は年1回。⭐⭐三条は猟銃本体にも出る
新潟県1件⭐第三者からの機械・施設の継承に5/10
⚠️ この件数は当サイトの調査状況を反映した数字です。
新潟県には30の市町村があり、表に出ていない市町村にも制度がある可能性は十分あります。
件数の順位を「手厚さの順位」と読まないでください。

🔴まず知っておくこと:新潟は「年1回」で「審査」がある

金額や補助率より先に、ここを押さえてください。
新潟の市の制度は窓口へ行けばいつでも申請できる、という形ではないものがあります。

制度受付決まり方
新発田市 経営基盤強化促進事業5月下旬〜6月中旬の要望調査だけ🔴ポイント制
新発田市 新規就農者定着促進事業同上(年1回)要望調査ベース
三条市 農業機械等導入補助金6月下旬までに希望調査🔴ヒアリング審査
長岡市 スマートアグリ推進事業令和8年度分は締切済み次年度を待つ

新発田市の2件は「5月下旬に案内が届く対象者向け」制度で、 ⚠️この時期を逃すとその年度は申請できません
三条市はヒアリングで計画性・緊急性・持続性見られるので、書類を出す前に事業計画を用意する時間が要ります。

⚠️県の農林水産業総合振興事業市町村を通じた間接補助で、市町村が要望を取りまとめる式です。
窓口は市町村役場または県地域振興局なので、県へ直接ではありません。

逆に、上越市のマーケティング活動支援先着順(令和8年4月1日から予算到達まで)、三条市の猟銃免許2件は随時受付です。
同じ県内でも式が違います。

⭐⭐三条市:免許は全額、銃本体は1/2

鳥獣対策では「柵で守る」制度が多数派ですが、三条市は捕る側の担い手を作る向に振っています。
しかも二段構えです。

⚠️ 猟銃の補助は過去に猟銃を所持したことがない対象で、三条市鳥獣被害対策実施隊員になる意思があること条件。
第一種銃猟免許と所持許可証が必要です。
⚠️免許側の補助も第一種銃猟免許が要件なので、わな猟だけを考えている人は対象外です。

三条市の3件目が農業機械等導入補助金で、水稲栽培用は1/3・園芸栽培用は1/2(いずれも上限100万円)と園芸のほうが手厚い設計です。
中古品も対象(古物営業の許可を受けた農機具取扱店から買ったものなら残耐用年数は問われません)。
園芸作物のインターネット販売サイト構築費も対象で、機械だけの制度ではありません。

売り先を自分で持てるかどうかは、同じものを作っていても手取りが変わるところです。
上越市のマーケティング活動支援もウェブサイト開設を対象に含んでいるので、新潟では「作る」だけでなく「売る」側の費用にも補助の道があります。

上越市(5件):免許・機械・住居をセットで見る

上越市 新規就農者等支援事業は、就農にかかる費用を項目ごとに拾っていく市単独のセットです。

  • 農業用機械=1/2・上限50万円(⭐中山間地域は100万円/20万円以上の機械)
  • 大型特殊・けん引免許の取得費=各1/2・上限5万円
  • 市外から転入した人の住居費=1/2・月2万円(独立24か月/雇用12か月)
  • ⭐就農前の「おためし農業体験」宿泊・交通費を補助受入農家にも1日1万円

⚠️対象は50歳未満(⭐中山間地域は61歳未満・就農期間3年以内です。

上越市 農業法人雇用支援事業50〜66歳の新規従業員を雇う農業法人対象で、月額最大5万円(年60万円)最長4年=最大240万円
国の雇用就農資金は原則50歳未満なので、その外側を市が拾う設計です。
上限66歳はかなり高い部類です。

残り3件も性格がはっきりしています。

  • 中山間地域振興作物生産拡大事業=山菜・そば等への転換に、農地再生作業上限7万5千円・種子上限8千円・苗上限10万円。
    耕作をやめた農地の活用にも使えます
  • マーケティング活動支援事業=マルシェ出店・商談会・ウェブサイト開設・SNS広告・写真動画制作など12コース。
    中山間地域枠は2/3以内・上限20〜40万円(一般地域枠は1/2以内・15〜30万円)。
    ✅個人の販売農家から3名以上の団体まで対象です
  • 園芸振興事業=1/2以内。
    ⚠️3戸以上の農家で構成する農業生産組織等対象で個人単独では申請できません。
    対象は水田でのキャベツ等の生産拡大にかかる種苗費や資材等の初度的経費で、⚠️機械・施設の整備ではありません

新潟市(4件):親元就農は62歳以下まで

新潟市 親元等就農支援事業(にいがたagribase事業)定額100万円(1経営体につき1回限り)。
就農時の年齢が62歳以下まで対象で、国の経営開始資金(原則49歳以下)から外れる層を市が拾う制度です。

🔴 条件はこの記事のなかでもいちばん細かい部類です。
農業経営主世帯の前年の農業所得が農業従事者1人あたり400万円以下(=親の所得で判定される)、本人と配偶者の前年所得の合計が600万円以下年間の農業従事日数225日(1,800時間)以上 🔴就農日(または事業継承日)から1年を超えていないこと
⚠️親元就農は家族経営協定の締結が必要で、経営主が65歳に達するまでに経営移譲を受けること(就農時に経営主が60歳以上なら就農日から5年以内)。
🔴雇用就農資金・経営継承発展支援事業などを現に受けている、または過去に受けた人は対象外です。

新潟市の残り3件です。
元気な農業応援事業3/10以内・対象事業費15〜300万円で、経営の複合化・規模拡大・付加価値向上が対象。
6次産業化・農商工連携支援補助金1/3以内・上限100万円(加工・直売・飲食施設・販路拡大の機械施設整備、機能性成分の調査費も対象)。
農地大区画化・集約化推進事業10aあたり2,500〜8,000円の定額で、農地バンクを活用した賃貸借契約・簡易ほ場整備が対象です。

長岡市(5件):就農1年目は販路開拓が100%

長岡市 新規就農者販路拡大支援事業補助率50%ですが、新規参入1年目は100%(上限50万円/年)。
販路開拓、旅費、材料費、広告宣伝費、出店料などが対象です。
売り先がまだ無い1年目に全額いう設計は理にかなっています。

就農初期段階運転資金支援事業1/2・上限40万円/年で、農地・機械の賃借料、種苗費、肥料・農薬費、販売経費いう毎年出ていく費用対象(経営開始5年以内の認定新規就農者)。

スマートアグリ推進事業補助金1/2以内・上限100万円。
ドローン・水管理システム・ラジコン草刈機・アシストスーツ・自動操舵・可変施肥など対象機器が広く、付属品・取付設置費・操作技術講習費まで対象です。
⚠️経営面積15ha以上(中山間地域は10ha以上)で、 ⚠️市のスマートアグリトライアル施設での研修受講が必須
⚠️令和8年度分は締切済みです。

耕作放棄地予防・解消事業平場20,000円/10a・中山間40,000円/10a(上限50万円)。
6次産業化・農商工連携新商品開発等支援事業1/2以内・上限25万円で、⚠️ハード(機器)は対象外=新商品開発費・試作費・デザイン費・マーケティング調査などソフト側の制度です。

新発田市(3件):中古が使える。
ただし年1回

新発田市 新規就農者定着促進事業補助金1/2以内・上限100万円事業費の上限はなし)。
非農家出身者は、汎用性の高い施設・機械(草刈機・作業場)も対象なります。
⭐中古品も対象(耐用年数以内のものに限る)。
⚠️施設の補修費(ハウスのビニール張替や消耗品)は対象外です。

経営基盤強化促進事業補助金1/3以内・上限100万円。
⚠️対象は経営面積20ha以上の認定農業者小規模では使えず、🔴ポイント制で高いものから採択されます。
⭐こちらも中古品が対象、1台あたり事業費10万円以上の機械・施設が条件です。

園芸産地サポート事業補助金品目ごとの単価制で、アスパラガスの新植支援は「初年度の収入減に対する補助」=植えてから穫れるまでを埋める設計です。

  • アスパラ新植・イチゴ越後姫=20万円/10a
  • ねぎ・さといも=6万円/10a、ブロッコリー等=3万円/10a
  • ⭐アスパラガスは簡易雨よけの資材費も別枠で1/2・25万円/10aまで(既存の骨組みを使った被覆も可)

⚠️1a以上の面積拡大が条件で、既存面積の維持では出ません。
✅個人でも申請できます。
⚠️例年4月1日から11月30日まで受付ですが、予算に達し次第締め切りです。

県の1件:第三者から「引き継ぐ」費用に出る

新潟県 農林水産業総合振興事業(新規就農者育成促進)は、第三者から機械・施設を引き継ぐ費用への補助いう珍しい型です。
中古の設備を活かして初期投資を抑えられます。
新規参入者は機械も施設も5/10以内(農家子弟は機械1/3・施設5/10)で、新規参入者のほうが有利です。

🔴 対象は50歳未満の認定新規就農者。
ただし45歳未満で認定を受けた人に限る
いう二重の年齢条件があります。
🔴経営開始3年目まで人が対象。
⚠️国庫補助事業を含め3か年累計の補助金算定事業費は1,000万円以内(園芸・畜産の導入拡大や経営の多角化なら2,000万円以内)。
🔴同じ事業の他のメニュー(園芸生産促進・スマート技術導入加速化支援など)は、事業主体が市町村・農地所有適格法人・農協・団体に限られ、個人農家は申請者になれません。

新潟で申請するときの注意点

  1. 🔴5月下旬〜6月を空けておく。新発田市の2件は5月20日〜6月12日、三条市の機械は6月26日必着(令和8年度)。
    逃すと1年待ちです
  2. 🔴出せば通るとは限らない。新発田市はポイント制、三条市はヒアリング審査。
    事業計画を用意する時間を見込んでください
  3. 県の制度は市町村経由。県の総合振興事業は間接補助で、窓口は市町村役場か県地域振興局です
  4. 個人では申請できない制度がある。上越市の園芸振興は3戸以上の組織、県の総合振興の一部メニューも個人は申請者になれません
  5. 中古が使えるかは市で違う。三条市・新発田市は中古可。
    三条市は古物営業の許可を受けた店から買えば残耐用年数を問われません

まとめ:新潟は「時期」と「立場」から探す

  • 機械を入れたい=三条市(園芸1/2・中古可)/新発田市(中古可・年1回)
  • 50歳を超えて働く・雇う=上越市(50〜66歳の雇用に最大240万円)/新潟市(親元就農は62歳以下に100万円)
  • 就農1年目で売り先がない=長岡市の販路拡大(1年目は100%)
  • 毎年の運転資金がきつい=長岡市(賃借料・種苗・肥料に1/2・年40万円)
  • アスパラ・イチゴを植える=新発田市(10aあたり20万円+雨よけ25万円)
  • 銃猟を始める=三条市(免許は全額、銃本体とロッカーに1/2・15万円)
  • 設備を引き継ぐ=県の総合振興事業(新規参入者は5/10)

設備を引き継ぐ話は国の補助金から落ちた人が使える県・市町村の制度あわせてどうぞ。
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