就農の補助金は、ふつう「就農した人」出ます。
研修への支援があっても、たいていは就農する直前の1〜2年です。

大分県の竹田市は、その前後にも置いています。

  • 農業大学校に在学している月1万円
  • 研修中の家賃1/2・月25,000円(最大2年)
  • 研修のために借りた資金の「返済額」1/2
  • すでに就農した他所へ学びに行く費用も1/2

入口・研修中・就農後の3段階すべてに「学ぶための金」が置かれています。豊後大野市にいたっては市が2年間の研修そのものを運営していて、受講料はかからず、研修圃場と宿泊施設(2LDK)まで用意されています。

県も同じ方向で、国の就農直後支援が3年で切れるところを4〜5年目まで延長しています。
大分は「農業を覚える期間」を長く見ているです。

この記事では掲載18件を出し手ごとに金額つきで整理します。
一覧で見たい方は大分県の補助金一覧からどうぞ。

大分の内訳

出し手件数性格
大分県5件⭐就農支援を4〜5年目まで延長/⭐竹林の伐竹に3/4/⚠️就労環境は売上要件あり
豊後大野市・竹田市各4件⭐⭐市が研修を運営(宿泊施設つき)/⭐⭐農大の在学中から家賃・返済まで
日田市3件⭐農福連携の働く環境/⭐小災害復旧が農地80%・施設90%
別府市・大分市各1件⭐新商品開発は実質全額(上限10万円)/3戸以上で組める
⚠️ この件数は当サイトの調査状況を反映した数字です。
大分県には18の市町村があり、表に出ていない市町村にも制度がある可能性は十分あります。
件数の順位を「手厚さの順位」と読まないでください。

🥇竹田市:入口・研修中・就農後の3段階に置く

竹田市の4件を、「いつ使えるか」の並べます。

いつ制度金額
農大に在学中農業大学校入学者奨学金月1万円
研修中農に生きる人材育成(家賃助成)1/2・月25,000円(最大2年=60万円)
研修資金を返す間新規就農者支援事業費補助金返済額の1/2(月15万円が上限)
就農したあと農に生きる人材育成(新技術習得)1/2・短期11万円/長期17.5万円

⭐⭐竹田市 農業大学校入学者奨学金在学中に月額1万円
就農するより前、学んでいる段階を支える制度は全国的にも貴重です。
⚠️対象は竹田市内に居住する人の子弟で、⚠️卒業後に自営農業者になることが前提。
🔴卒業後に引き続き就農しない場合は返還の対象なります。
⚠️国の就農準備資金や竹田市親元就農給付金を受けている人は対象外です。

竹田市 農に生きる人材育成支援プロジェクト事業補助金2つの枠を持っています。

  • 【家賃助成】市が認めた研修機関・先進農家で研修する人の家賃が 1/2・月上限25,000円。
    最大2年間分=最大60万円
  • 【新技術習得】すでに就農している農業後継者・新規就農者も対象。他所へ学びに行く費用が1/2で、短期研修(3日以上30日未満)は上限11万円、長期研修(30日以上)は上限17.5万円

研修支援はふつう就農前で終わります。就農したあとの「学び直し」に補助を出す制度は多くありません。
⚠️家賃助成には定着条件があり、研修終了後1年以内に市内で独立・自営就農し、助成期間の1.5倍または2年間のいずれか長い期間続けることが必要です。

竹田市 新規就農者支援事業費補助金設計が珍しく、借りた就農研修資金の「返済額」の1/2補助します(一人あたり月額15万円が上限)。
研修中にお金を配るのではなく、返す段階の負担を直接軽くする形です。
土地基盤を持たない新規参入希望者は55歳未満まで対象で、国の49歳以下より広い。
⚠️研修期間の上限が年齢で変わり、40歳未満は1年以内、40歳以上55歳未満は半年以内
⚠️実家の農業に入る農家子弟の場合は40歳未満・1年以内と条件が変わります。
⚠️新規認定農業者であることが前提です。

⭐⭐豊後大野市:市が研修そのものを運営している

豊後大野市 インキュベーションファームは、西日本有数のピーマン産地である市が運営する2年間の新規就農研修です。

  • 受講料を払う民間スクールではなく、市が運営する研修
    研修圃場と宿泊施設(2LDK・浴室・トイレ付き)用意されています
  • 夏秋ピーマンの栽培を2年間、営農指導員とJAピーマン部会の指導で実践的に学べます
  • 生活費=49歳以下は国の就農準備資金(年150万円・最長2年)、50歳以上55歳以下は市の中高年移住就農給付金(年100万円×2か年)
  • 研修後は経営開始資金(年150万円・最長3年)と経営発展支援事業(3/4・上限1,000万円)につながります
  • ✅未経験者歓迎。
    短期研修(数日)で雰囲気を確かめてから応募することもできます

⚠️期生ごとの募集で定員があり、例年10月ごろ募集・翌年1月開講のサイクルです。

年齢の受け皿も3本あります。
豊後大野市 中高年移住就農給付金50歳以上55歳以下に年100万円×2か年=合計最大200万円(⚠️独立自営就農の時期が50歳以上55歳以下であること、 ⚠️県内の研修機関で研修を受けること、 ⚠️研修終了後に認定新規就農者になることが条件。
⚠️国・県の他の事業と重複不可)。

豊後大野市 中高年就農支援給付金50歳以上55歳以下で、2人以上(夫婦や親族)での独立就農対象。
月7.5万円を最長36か月=最大270万円です。
「2人以上」を条件にしている点が特徴で、中高年の就農を世帯単位で支える形になっています。

豊後大野市 親元就農給付金55歳未満対象で、準備型(農大で研修する人に最大150万円・最長1年)と開始型(親元就農後に農業に専念する人に最大100万円・最長2年)の2段階。
⚠️国の就農準備資金など生活費目的の国の給付を受けている人は対象外です。

⚠️ 親元就農給付金の開始型には条件が2つあります。
「5年後の所得が現状より250万円以上増える経営発展計画」「家族経営に関わる人の所得が3か年平均で1人400万円以下」
🔴経営発展計画の5年間は親元で専従者として従事するため、独立就農や経営主になることはできません。⚠️給付の停止・返還の要件が別に定められているので、事前に必ず確認してください。

県の5件:就農支援を5年目まで延ばす

大分県 新規就農者定着支援(就農後給付)は、国の就農直後の支援が原則3年で切れるところを4〜5年目も年120万円で延長する県独自制度です(1〜3年目は年150万円)。
就農して経営が安定するまでを長めに下支えする考え方で、ここでも「覚える期間を長く見る」姿勢が出ています。

設備は大分県 おおいた園芸産地づくり支援事業5メニューすべて補助率1/5以内・上限1,000万円
補助率は低めですが、事業費5,000万円まで満額で使える計算なります。
⑤資産継承支援=第三者から継承するハウス・果樹棚の移設や改修いうメニューがあり、離農する人の施設を引き継いで就農する人向けの珍しいです。

⚠️ ③機械導入はトラクター・軽トラック・動力噴霧器・冷庫など汎用性の高い機械は対象外です。
⚠️下限事業費があり、③は機械本体価格50万円(税抜)以上、その他は全体事業費50万円以上。
申請時に認定農業者・認定新規就農者でなくても、事業完了までに確実になる見込みなら対象なりますが、交付申請時までに市町村へ「農業経営改善計画」(または「青年等就農計画」)を申請し、その写しを添付する必要があります。
🔴公募は例年4月下旬〜5月中旬と短期間(令和8年度は5月13日で受付終了)です。

法人での参入なら大分県 農業参入企業向け補助事業で、国庫事業に県・市町村の加算を乗せて補助率1/2〜3/4まで上がります。
⚠️国庫事業の採択が前提なので計画づくりに時間がかかります。

⚠️就労環境の補助には「売上3,000万円以上」の条件がある

大分県 農林水産業就労環境改善補助金対象経費がとても実務的です。
大型扇風機、冷蔵庫・冷凍庫、ミストシャワー、空調服、労務管理ソフト、日よけ屋根、トイレ、手洗い場、シャワー室など。
賃上げに取り組む場合は補助率が1/2→2/3、上限も100万→140万円に上がります

⭐トイレ・手洗い場・シャワー室が対象なのは、雇用を伴う経営で人を集めるための投資して意味があります。
大規模園芸団地コースは上限500万円(賃上枠670万円)です。

⚠️⚠️ 対象は「3か年以内に売上3,000万円以上を達成した県内の農林水産業経営体」です。
売上要件があるため、小規模な農家は対象外なります。
⚠️募集は例年8月末まで(令和8年度は8月31日17時まで)。
夏が終わってから申請しようとすると間に合いません。

つまり暑さ対策そのものは、多くの農家にとって自己負担になります。売上要件に届かない場合は、補助を待つより手元でできる対策から始めることになります。

⭐竹林の伐竹に3/4、作業路は1mあたり500円

大分県 竹林再生事業(優良竹林化)森林環境税を財源に、荒れた竹林を竹材・タケノコの生産ができる「優良竹林」へ再生する費用を3/4補助します。
個人でも法人でも申請でき(タケノコ生産者、農業法人、竹材店など)、窓口は竹林のある市町村の林業担当課です。

  • チップ化すると標準事業費が上がります。伐竹+片付けだけより、伐竹本数の1/2以上をチップ化、さらに全量チップ化と進むほど 1haあたりの単価が高くなります(14cm以下・15,000本以上で335万→364.1万→393.1万円)
  • 補助額=「1haあたりの標準事業費 × 伐竹する面積 × 3/4」面積に比例するので、広く整備するほど総額は増えます
  • ⭐管理用簡易作業路の開設は1mあたり500円の定額で、作業路だけの申請(伐竹をしない)も可能です
🔴 事前申請が必須。
交付決定の前に伐竹すると1円も出ません。
⚠️採択要件=①竹材・タケノコの生産を目的とした優良竹林化 ②伐竹面積が1箇所あたり0.1ha以上 ③伐竹本数が5,000本/ha以上伐竹は「間伐」であること(全伐は不可)
🔴1箇所につき1回までで、この事業で伐竹した箇所は再度採択されません。
⚠️申請に伴う伐竹面積の測量費用は自己負担 ⚠️事業実施後3年間の生産量報告が必要です。
⚠️標準事業費の単価表は県のパンフレット(令和3年度版)に基づくため、現在の単価は市町村の林業担当課で必ず確認してください

日田市(3件):働く環境と、小さな災害

日田市 農福連携整備事業補助金は、障がいのある人と一緒に働くための就業環境の整備費が1/2以内・上限75万円。
仮設トイレ・休憩所・業務用エアコンの設置が対象現場の「働く環境」そのものに使えます
⚠️農林業者と福祉施設の「農作業受委託契約」に基づいて実施することが前提で、 ⚠️対象者は認定農業者・認定新規就農者・認定林業事業体・農林業法人のいずれか。
⚠️国および県の補助対象となるものは除かれます。

日田市 農地及び農業用施設の市単小災害復旧事業補助率が農地80%・農業用施設90%高く、令和6年4月に50%・65%から引き上げられました。
国の災害復旧の対象にならない小規模被害の受け皿で、事業費10万円以上40万円未満が対象。
⭐激甚災害の指定等を受けた場合は対象事業費の上限が100万円未満に広がります。
事業主体は耕作者または農地所有者、農業用施設管理者=個人で申請できます
⚠️対象は「異常な天然現象」による災害で、通常の傷みは対象外。
⚠️事業費が10万円未満だと対象になりません。

日田市 地域資源利活用推進事業補助金(畜産堆肥の購入)堆肥を「使う側」の耕種農家に出る補助で、 ⭐個人でも申請できます。
バラ堆肥は1トンあたり1,000円、袋詰めは10kgあたり100円。
⚠️安すぎる堆肥は対象外(バラは1トン2,000円以上、袋詰めは1袋(15kg)300円以上のもの)、 ⚠️対象は市内の畜産農家が生産した堆肥に限られます。
⚠️申請には散布「前・中・後」の3枚の写真が要ります。
撮り忘れると申請できません。

💡 日田市は注意喚起もしています。
輸入飼料由来の除草剤成分(クロピラリド)でナス科・マメ科・キク科に生育障害が出た事例があるため、購入先に確認を、とのことです。

別府市と大分

別府市 新商品開発支援事業補助金対象経費が実質全額(上限10万円)という設計です。
農産物等の地域資源を活用した新商品の開発・加工・販売の取組に対し、研究開発費・謝金・旅費・事務費などが対象。
対象は「市内で農業を営む者」または「市内で飲食店・宿泊施設を営む者」=個人農家でも申請できます
🔴事業実施前に必ず農林水産課事前相談する式で、実施後の申請は通りません。
⚠️納税証明書(直近年)が必要です。

ただし補助が出るのは開発の段階までで、できた商品をどこで売るかは自分で決めることになります。
別府は観光地なので宿泊施設や飲食店との連携も考えられますが、自分の売り口を持っておくと、開発したあとの動きが速くなります
初期費用をかけずに始めるなら無料でネットショップを開設できるBASE[広告]のようなサービスもあります。
⚠️ただし補助の対象になるかは要綱と事前相談次第なので、費用を計画に載せるなら先に農林水産課確認してください。

大分市 営農組織経営力強化支援事業トラクター・田植機・コンバイン・乾燥機などの導入を1/3以内で支援(法人経営力強化には1/2以内のメニューあり)。
法人でなくても使えます。
3戸以上の販売農家で構成し、代表者の定めのある規約を持ち、会計を一元化している任意組織なら対象
です。
⭐補助額の上限は定められておらず「予算の範囲内で助成」なので、事業費が大きいほど補助額も伸びます。

🔴 共通の必須要件が2つあります。「米・麦・大豆を主要作物としていること」「大分市が定める地域計画の目標地図に位置付けられていること」
野菜や果樹が主力の組織は対象になりません。⚠️集落営農組織は導入の翌年度から5年以内に経営面積10ha(中山間地域は8ha)以上、法人経営力強化は5年以内に15ha(中山間地域は12ha)以上への規模拡大が見込まれることが条件。
⚠️法定耐用年数を経過した機械は2年間以上の保証があるものに限られます。

鳥獣対策は竹田市 有害鳥獣被害防止対策事業補助金【市単活用型】=農林業を営む市民が個人で申請できるあり、 1/3以内・事業費3万円以上から使えます(対象は電気柵・防護柵の資材費)。
【県単活用型】は2/3以内と手厚いものの、 ⚠️鉄線柵は延長1,000m以上・設置者2名以上、電気柵は延長200m以上などの規模要件がつきます。
⭐災害で柵が壊れた場合の復旧支援もあります(市単型4.5/10以内、県の災害指定があれば9/10以内)。

大分で申請するときの注意点

  1. 🔴「学びの制度」は始める前に相談する。竹田市の農大奨学金は在学中の申請、家賃助成は研修開始にあわせて、豊後大野市の中高年移住就農給付金も研修の開始にあわせて申請します。
    始めてしまってからでは間に合わないものがあります
  2. 🔴返還規定を先に見る。竹田市の農大奨学金は卒業後に就農しないと返還、家賃助成は研修終了後1年以内に市内で独立・自営就農して助成期間の1.5倍または2年の長いほう続けることが条件。
    豊後大野市の親元就農給付金にも停止・返還の要件があります
  3. ⚠️国の制度と重複できないものが多い。竹田市の農大奨学金は国の就農準備資金を受けていると対象外、豊後大野市の親元就農給付金も生活費目的の国の給付を受けていると対象外、中高年移住就農給付金は国・県の他の事業と重複不可です。
    年齢や形態で国の制度から外れた方は国の補助金から落ちた人が使える県・市町村の制度あわせてどうぞ
  4. 🔴県の主要事業は締切が固定されている。園芸産地づくりは例年4月下旬〜5月中旬の短期公募、就労環境改善は例年8月末まで。
    夏が終わってから就労環境改善を申請しようとしても間に合いません
  5. ⚠️売上・面積・作物の要件で外れることがある。県の就労環境改善は売上3,000万円以上大分市の営農組織は米・麦・大豆が主要作物であること、竹田市の県単型鳥獣柵は延長要件。
    金額を見る前に、自分が対象かを確かめてください
  6. 🔴竹林再生は交付決定の前に伐らない。伐ってしまうと1円も出ません。
    1箇所につき1回までで、測量費用は自己負担です

まとめ:大分は「まだ農家でない段階」から探せる

  • 農業大学校に通っている=⭐⭐竹田市の奨学金(在学中に月1万円)
  • 研修先を探している=⭐⭐豊後大野市のインキュベーションファーム(受講料なし・宿泊施設2LDK・ピーマン2年)
  • 研修中の家賃が重い=⭐竹田市(1/2・月25,000円・最大60万円)
  • 研修資金の返済が始まる=⭐竹田市(返済額の1/2)
  • 50代で就農する=⭐豊後大野市(移住200万円/⭐夫婦なら270万円)/竹田市(55歳未満)
  • 親元に就農する=豊後大野市(55歳未満・準備型150万+開始型100万)
  • 就農3年目を過ぎた=⭐県の定着支援(4〜5年目も年120万円)
  • 就農したあとに学び直す=⭐竹田市の新技術習得(1/2・最大17.5万円)
  • 離農する人の施設を引き継ぐ=⭐県の園芸産地づくり(資産継承支援)
  • 荒れた竹林を直す=⭐県の竹林再生(伐竹3/4・⭐作業路だけでも可)
  • 小さな災害で農地が壊れた=⭐日田市(農地80%・施設90%・個人可)

年齢で国の制度から外れた方は49歳を過ぎても使える就農補助金鳥獣の柵は鳥獣被害対策の補助金あわせてどうぞ。
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