岐阜県の農業補助金は、掲載26件のうち県のものが4つだけで、残る22は市町村の制度です。
ここまで市町村に寄っている県は多くありません。

そして最大の特徴が飛騨市
7件のうち3件が「中高年就農」充てられていて、対象年齢の上限が75歳未満いう、全国的にもごくわずかな水準です。

この記事では26件を市町村別に金額つきで整理します。
一覧で見たい方は岐阜県の補助金一覧からどうぞ。

岐阜の補助金は「市町村」に寄っている

出し手件数性格
飛騨市7件⭐中高年就農に全振り。75歳未満まで
本巣市6件獣害・林業・富有柿。中古資材も対象
岐阜県4件GAP・輸出・6次産業化。市町村と折半の型
海津市3件⭐観光農園に1/3・上限300万円
大垣市2件獣害対策。わな猟免許は更新にも出る
高山市・恵那市・岐阜市・各務原市各1件中古機械/集落の柵/防護柵/貸す側への交付
⚠️ この件数は当サイトの調査状況を反映した数字です。
岐阜県には42の市町村があり、表に出ていない市町村にも制度がある可能性は十分あります。
件数の順位を「手厚さの順位」と読まないでください。

⭐飛騨市(7件)=75歳未満まで就農を支える

国の新規就農者育成総合対策は原則49歳以下です。
飛騨市はその先を3本立てで拾っています。

制度年齢金額
中高年就農者支援事業45歳以上75歳未満農機具・施設1/3・上限50万円
中高年就農者就農給付金⭐55歳以上75歳未満定額50万円(使いみち自由)
中高年就農者水稲応援事業45歳以上75歳未満水稲農機1/3・上限30万円

⭐給付金のほうは使いみちを機械や施設に限定しない現金給付です。
水稲応援事業は⚠️自分の農地だけで完結する人は対象外で、他人から農地を借りる(1筆以上かつ5a以上)か、作業受託(合計10a以上3年以上)でも対象になります
機械作業だけ請け負う形でも使えるということです。

⚠️ 3制度に共通して出荷組合等に所属していること条件です。
自家消費や直売のみの形では対象になりません。
また高年就農者支援事業は1件10万円以上の経費対象で、小型の農具をまとめ買いする形では対象になりにくい点にも注意してください。

形態を問わない支援金と、最大7年の家賃補助

  • 就農形態に応じた支援金独立・親元・雇用のどの形でも年50万円×最長3年(総額最大150万円)。
    親元就農は国の制度から外れやすいので、そこを拾っているのが大きい。
    ⚠️国・県等の制度の対象になる人は除かれます(対象は18歳以上55歳未満)
  • 農業研修生・新規就農者への住居費支援=家賃の1/2・上限月4万円。
    研修中の最長2年に加えて就農後も最長5年=合わせて最大7年の家賃支援になります。
    ⭐飛騨牛の産地らしく畜産農家への雇用就農も明示的に対象(⚠️雇用就農の場合は就農後2年まで)
  • 小規模基盤整備事業=畦の除去による大区画化、水路・暗渠の布設、土壌改良。
    新規就農者と地域の担い手は3/4(担い手以外は1/2)・上限50万円。
    ⭐中山間協定農用地内なら担い手かどうかを問わず3/4です。
    借りた農地を使える状態にするときに効きます
  • 野生動物侵入防止施設補助金=1/2以内・個人10万円(法人・団体は200万円)。
    柵の種類ごとに上限単価が公表されています(電気柵800円/m、ネット柵1,100円/m、ワイヤーメッシュ2,100円/m、金網3,000円/m、サル用3,500円/m)。
    事前に自己負担を計算できます。
    防草シートや鳥獣撃退器も対象

本巣市(6件)=獣害・林業・富有柿

  • 獣害防止柵設置費助成金=材料費の1/3以内・上限5万円。
    材料は「新品、中古品を問いません」と明記されている数少ない制度です。
    ⭐山あいの根尾地域は1/2に上がります(⚠️すでにある柵の維持管理は対象外)
  • 狩猟免許取得補助金=1人3万円まで。
    市猟友会の新入会費まで対象含まれます(免許を取ったあと必ずかかる費用まで見る制度は少数派)。
    🔴取得した年度の3月31日までに申請しないと使えません
  • ジャンボタニシ被害防止対策=薬剤購入費の1/2(上限は1アールあたり175円)。
    ⭐対象薬剤が「石灰窒素およびメタアルデヒドを含む薬剤」と明記されているので、買う前に成分の確認が要ります
  • 富有柿等振興奨励金=1,000平方メートルあたり12,000円を5年間(10aで通算6万円)。
    対象品種は富有柿・早秋・貴秋・太秋の4つに限定。
    本巣市(糸貫地区)は富有柿の発祥地とされています。
    ⚠️既存の樹園地を伐採して植え替えること・10年以上の栽培が条件
  • 林業の2件も市単独です。
    林業就業移住支援(単身60万円・2人以上100万円。
    国の東京圏移住支援金に「該当しない」人が対象=国の制度から漏れる人の受け皿)と、新規森林技術者就業支援(月3万円×最長3年。
    移住が条件になっていないので市内在住者でも使えます)

海津市(3件)=観光農園に300万円

観光農園開園補助金は、収穫体験型の観光農園の開園・切替・面積拡大にかかる施設整備を1/3以内・上限300万円補助します。
観光農園に特化してこの規模を出す市町村制度は全国的にほとんどありません。

⚠️ 対象は60歳以下農業者または農業部門を持つ法人で、観光農園の面積が1ヘクタール以上あることが定義上の要件です。
新規開園なら市が認定した認定農業者であることも必要で、機械器具の購入費は対象外(施設整備が対象)です。

ほかに農業振興対策費補助金(⭐スマート農業の枠は個人でも申請可1/3・1台上限100万円。
⚠️ただし「畑地を新たに耕作する」ことが条件。
水田農業の枠は団体向けで上限500万円)、収入保険加入支援(新規加入に定額2万円。
⚠️保険料が5万円以上になる人が対象)があります。

大垣市・高山市・恵那市・岐阜市・各務原市

  • 大垣市 有害鳥獣捕獲者育成支援=わな猟免許が1/2(新規上限7,000円)。
    免許の「更新」にも出る(上限2,500円)のは珍しい設計です。
    ⚠️わな猟のみ・申請期限は1月31日
  • 大垣市 有害獣防除施設設置事業=資材費1/3・年15万円まで。
    個人で申請できます
    「被害を受ける恐れがある」農地も対象です
  • 高山市 小規模農家等営農継続支援=コンバイン・トラクター等の更新に1/4・上限50万円。
    中古機械も対象(耐用年数2年以上)で、国・県の補助を受けていないことが条件=主要事業に乗れない人向けです(⚠️水稲10a以上・更新後10年間の面積維持)
  • 各務原市 施設園芸等就農推進事業新規就農者に農地を貸した「所有者」に10aあたり30,000円
    受け取るのは就農者ではありません。
    ⚠️農地中間管理機構を通した貸付けが条件で、貸付先が施設園芸品目等の新規就農者であることが要ります
  • 恵那市 農作物被害防止対策(農家3戸以上の集落が共同設置する電気柵等の資材費1/3。
    ⚠️設置労賃・テスター・ソーラーパネルは対象外)、岐阜市 鳥獣被害対策支援(防護柵の資材費・1事業25万円まで。
    ⚠️3戸以上を含む団体での申請が必要で個人単独は不可)

県の4件は「経営を伸ばす」

  • ぎふ農業経営者育成発展支援金=研修スタート型・経営チャレンジ型が最大100万円、キャリアチェンジ型(55〜60歳未満)が最大50万円
    ⚠️県と市町村の折半なので、市町村が負担するかどうかで受給額が半分になります
  • GAP農産物拡大事業費補助金=施設改修・備品が1/2・上限100万円、国際水準GAPの新規取得が個人30万円。
    残留農薬・水質の分析等は上限額なし
  • 海外販路構築支援事業=輸出3年以内なら1/2・上限100万円(⚠️既存販路の維持は対象外)、農業6次産業化促進支援事業=加工・流通・販売用の機械器具に1/2または1/3・上限100万円(個人の認定農業者も可)

岐阜で申請するときの注意点

  1. まず市町村を見る。掲載26件のうち22が市町村の制度です。
    県のページだけでは選択肢の大半を見落とします
  2. 買う前・設置する前に申請する。恵那市は資材の購入前申請が必須、高山市も購入前に計画書と見積書を出して採択を受ける必要があります
  3. 申請期限が年度内で切れる。本巣市の狩猟免許は🔴取得年度の3月31日まで、大垣市のわな猟免許は1月31日までです
  4. 個人で申請できるか確認する。大垣市・本巣市・飛騨市は個人可ですが、恵那市は3戸以上の集落、岐阜市は3戸以上を含む団体が条件です
  5. 県の支援金は市町村次第で額が変わる。ぎふ農業経営者育成発展支援金は市町村が1/2を負担しない場合、受給額が半分になります

まとめ:岐阜は市町村から探す

  • 50代以降の就農=飛騨市(45〜75歳未満の3制度)/県のキャリアチェンジ型(55〜60歳未満)
  • 親元就農・雇用就農=飛騨市の就農形態に応じた支援金(年50万円×3年)
  • 費用を抑えて機械・資材を入れる=高山市(中古機械1/4)/本巣市(中古資材可)
  • 観光農園を始める=海津市(1/3・上限300万円)
  • 農地を貸す側=各務原市(10aあたり30,000円)

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