兵庫県の農業補助金18件を並べていて、同じ数字が何度も出てくることに気づきました。

3です。

  • 丹波篠山市の集落農業守り隊=農業者3戸以上グループ
  • 丹波市の小規模農家支援=3名以上グループ
  • 兵庫県のアグリビジネス創出支援=3者以上チーム
  • 兵庫県のコウノトリ育む農法=農業者3戸以上任意団体も対象

しかもこれらは認定農業者でなくても申請できます
丹波篠山市の集落農業守り隊にいたっては、農業者と土地持ち非農家が合わせて3戸でも構いません。

ひとりでは届かないが、3人集まれば入口が開く。これが兵庫の設計です。
そして裏返しに、ひとりのままでも使える小さな受け皿用意されています。
三田市には認定農業者を「除く」明記した制度すらあります。

この記事では掲載18件を市町別に金額つきで整理します。
一覧で見たい方は兵庫県の補助金一覧からどうぞ。

兵庫の内訳

出し手件数性格
丹波篠山市7件⭐⭐3戸で申請・複数回可/山の芋と栗に手厚い/🔴前年度9月末に申し出
三田市・兵庫県各3件⭐⭐認定農業者を「除く」枠/⭐3者以上のチーム・コウノトリ育む農法
朝来市・神戸市・丹波市各1件⭐⭐1/2・500万円/スマート200万円/⭐57メニューを1本に
加古川市・淡路市各1件⭐面積1aあたり1万円/⭐個人で申請できる獣害柵
⚠️ この件数は当サイトの調査状況を反映した数字です。
兵庫県には41の市町があり、表に出ていない市町にも制度がある可能性は十分あります。
件数の順位を「手厚さの順位」と読まないでください。

🥇「3戸集まれば認定なしで申請できる」

⭐⭐丹波篠山市 集落農業守り隊応援事業兵庫でいちばん特徴的な制度です。

  • ⭐申請主体は「農業者3戸以上」または「農業者と土地持ち非農家の3戸以上」
    認定農業者である必要がありません
  • ⭐⭐複数機種・複数回の申請ができます。1回で終わらない点が他の機械補助と大きく違います
  • 水稲=トラクター・田植え機・コンバインが25%以内・上限新品50万円/中古25万円
  • 黒大豆=畝たて整形機・乾燥機・脱粒機・脱莢機・中耕培土トラクターが25%以内・上限新品30万円/中古20万円(⚠️40アール以上の生産が要件)
  • ⭐中古機械も対象(適正価格が確認できることが条件)

「1回限り」の制度がほとんどのなかで、複数回使えるのは実務上とても大きい差です。
トラクターを入れた翌年にコンバイン、という積み方ができます。

⚠️ 申請者は地域計画に位置付けられた農業者(または位置付けが確実な農業者)である必要があります。
🔴交付決定通知を受け取るまで、機械の契約や納品を確定させないでください。⚠️4月1日から随時受付ですが、予算枠に達した時点で終了します。

丹波市 農業補助金にも同じ考え方の枠があります。
この制度は57メニューを1本の要綱にまとめた市単補助の集大成で、認定農業者でなくても「3名以上の小規模農家グループ」なら 1/4・上限90〜100万円

  • 認定農業者の機械導入=1/4以内・スマート農業機械は上限120万円(過疎地130万円)
  • 認定新規就農者=家賃補助月4万円×2年+機械・施設それぞれ上限60万円(1/2)
  • ⭐有機JAS認証取得は8/10・上限10万円、有機転換は2万円/10アール
  • ⭐新規の狩猟免許は全額補助(わな5.8万円・銃16万円)、防護柵は80%以内
  • 丹波栗の新植・生産環境整備など特産メニューも充実

⚠️メニューごとに対象・要件が細かく異なるため、市農林振興課への事前相談が必須です。

県の2事業も「3」で組まれています。
兵庫県 アグリビジネス創出支援事業補助金農林漁業者主体で食関連企業等を含む3者以上のチーム要件で、県産農林水産物を活用した新商品開発・新流通システム構築が2/3以内・上限100万円(提案公募型・審査あり)。
ひょうご農商工連携事業助成金県内中小企業者等と農林漁業者で構成する連携体対象で、研究開発費(専門家謝金・原材料費・機械装置費等)と販路開拓費が2/3以内・上限400万円。
⚠️地域資源を活用し研究開発を伴うこと条件です。

⭐三田市:認定農業者を「除く」制度がある

三田市 小規模農家営農継続支援事業は、対象が認定農業者・認定新規就農者を「除く」小規模農家明記されています。
支援が届きにくい層に的を絞った、逆転の設計です。

  • トラクター・コンバイン・田植機などが1/10・1台30万円まで
  • 中古の農業機械も対象(新品限定の制度が多いなかでは珍しい)
  • ⭐トラクターのアタッチメントも対象

⚠️補助率1/10は低めです(300万円の機械で上限30万円に達する計算)。
⚠️市内で農地を30アール以上耕作し、その過半で出荷販売目的の水稲等を栽培していること、 ⚠️10年以上継続して営農する見込みがあることが条件。
⚠️下取りがある場合は下取り価格を控除した後の購入費用が対象になります。
⚠️同種・同機能の機械を再び買う場合は、前回購入日から5年経過後でないと申請できません。

⚠️ 三田市の制度は手続きが具体的に決まっています。
機械が納品されたら、使用前に機械全体と型番の写真を撮影して実績報告で提出する必要があります。
⚠️申請は原則として来庁して提出し、本人確認のため運転免許証等が要ります。

三田市 スマート農業機械等導入支援事業認定農業者でなくてよく市内で30アール以上耕作し出荷販売していれば対象(1/2・1台30万円)。
散布用ドローン・リモコン式草刈機・水管理システムなどが対象です。
随時募集で、年度内に事業完了すればよい柔軟な設計ですが、 ⚠️予算額の範囲内で先着順なので年度後半は残額が少ない可能性があります。

三田市 農業研修受講料助成事業就農「前」の学びに使えます(上限5万円)。
受講料が生じない研修でも、自己負担した種苗代・農薬代・肥料代が対象なるのが親切な点です。
対象研修機関も幅広く、兵庫楽農生活センター・兵庫県立農業大学校・地方公共団体・ひょうご農林機構などの公的機関や農協・法人が入ります。
🔴補助金の交付から2年以内に就農できなかった場合は返還必要です(病気・災害などやむを得ない理由がある場合を除く)。

金額が大きいのは朝来市と神戸市

⭐⭐朝来市 農業機械等導入支援補助金1/2以内新品は上限500万円(中古は上限250万円)で、市単独の機械補助としては全国トップ級です。
トラクター・田植機・コンバイン・乾燥機・色彩選別機・ラジコン草刈機・農業用ドローン等が対象になります。

⚠️ 面積拡大が条件です=岩津ねぎ10アール・黒大豆30アール・その他作物50アール・水稲1ヘクタール以上の拡大。
⚠️国・自治体の他の補助を受けていないこと条件(受け皿型)。
⚠️1種類の機械につき1回限り、交付決定前の購入は不可です。

神戸市 スマート農業等導入支援事業補助金50%以内で一般枠50万円・地域計画枠200万円
リモコン自走草刈機・水管理システム・ドローン・アシストスーツ等が対象で、 ⚠️年10日以上の使用・技術の普及啓発・管理農地の1割以上での使用が要件です。
⚠️例年4月中旬〜5月下旬に公募(令和8年度は5月22日で受付終了)。

加古川市 アグリスタート補助金設計が珍しく、開始型が「耕作面積1アールあたり1万円」=面積連動で最大100万円(1アール未満は切捨て)。
準備型は兵庫県認定の研修機関で研修中に2万円/月(上限12か月)です。
⚠️開始型は令和6年4月1日以降に認定新規就農者・認定農業者となり市内で経営を開始した人が対象。
国の就農準備資金・経営開始資金とは別枠の市単独制度です。

丹波篠山市の特産物:山の芋に4本、栗に2本

丹波篠山市 特産物振興『山の芋』1つの作物に4本の補助用意しています。
✅すべて個人の農業者が対象です。

単価条件
栽培省力化各20,000円/10a(各上限4万円)防草シート・シルバーマルチ・ネット支柱。2a以上
新規生産支援1aあたり15,000円(上限5a)新たに始める・再開する人。1a以上
後継者育成後継者1名あたり30,000円(上限5名)指導する「親方農家」に出る。2年目は20,000円
振興奨励金6,000円→8,000円→10,000円/10a5a以上。面積が増えるほど単価が上がる

「後継者育成」が教える側に出る点に注目してください。
新規生産者を掘り起こして指導する「親方農家」に、後継者1名あたり30,000円(上限5名)。
産地は作る人を増やさないと続かないので、増やす側に報いる設計です。
⚠️栽培省力化は令和8年4月1日以降に購入したものが対象で、領収書やレシートのコピーが必要。
⚠️振興奨励金は作付実績を市が確認してから該当者に申請書が送られる式です。

丹波篠山市 特産物振興『栗』⭐苗木が50%以内・上限500円/本(5本以上まとめて購入が条件)。
果樹は植えてから穫れるまで無収入期間があるので、苗木代に出る制度は価値が高い。
省力化機械(防除機・自走式草刈り機・高枝電動剪定ばさみ冷蔵庫・いがむき機)は 25%以内・上限25万円(⚠️栗を20アール以上栽培していることが条件)。
栗園地を貸し出す農地所有者への流動化促進奨励金(10,000円/10アール)あります。

新規就農なら丹波篠山市 新規就農者支援事業補助金機械・住まい・農地の3方向。
①機械等導入=1/2以内・上限50万円(⭐中古も対象) ②家賃助成=1年目月3万円・2年目月2万5千円・3年目月2万円(いずれも家賃の1/2以内。
3年で最大90万円③農地貸借料助成=賃料総額の1/2以内・上限1万5千円。
⚠️機械導入は国の経営発展支援事業を活用する人は対象外なので、どちらを使うか先に決める必要があります。

ハウスは丹波篠山市 ビニールハウス導入支援事業補助金25%以内・上限10万円。
⚠️45㎡以上の新設が対象で、更新(張り替え・建て替え)は対象外
⚠️水稲の育苗や黒大豆の乾燥にだけ使うハウスも対象外です。
✅認定農業者や認定新規就農者に限定されていません。

有機・環境の3つ

兵庫県 コウノトリ育む農法拡大条件整備事業は、無農薬水稲が最大3.5万円/10アール、減農薬水稲が最大2.1万円/10アールの栽培経費補助(初年度のみ)
除草作業などに必要な機械・施設は1/3以内(1ヘクタール拡大で100万円・2ヘクタール拡大で200万円以内)。
環境ブランド米として販売単価が上がる農法とセットの支援なので、環境と収益の両立を狙えます。
⚠️作付拡大面積が50アール以上あることが要件で、 ⚠️窓口は豊岡農林水産振興事務所=但馬地域(豊岡市周辺)が中心事業です。

丹波篠山市「水稲」用除草機械助成有機栽培の米を販売しようとする農業者対象で、 ⭐対象機械が「あめんぼ号」「アイガモロボ」など具体名で示されているのが特徴。
25%以内・上限10万円です。
除草剤を使わない米づくりでは草取りが最大の負担なので、ここを機械で下げられるかが継続の分かれ目になります。

丹波篠山市 土づくり助成・環境創造型農業推進事業堆肥の購入費(10アールあたり500円)だけでなく、散布の委託費(同1,000円)にも出ます
撒く手間まで見る制度は珍しいものです。
腐植酸資材は20%以内・上限1,000円/10アール、緑肥種子は30%以内・上限1,000円/10アール。
⚠️4つのうち「いずれか1つ」だけで、組み合わせられません。
⚠️黒大豆1ヘクタールまたは山の芋20アールの作付が条件です。
⭐別枠の環境創造型農業推進事業ではフェロモントラップの容器・薬剤が50%以内

鳥獣は淡路市 イノシシ被害防止事業補助で、市内に住所があれば個人で申請できます(2戸以上といった団体要件がありません)。
電気柵やメッシュ柵の資材費が1/3・上限5万円。
⚠️資材購入経費が3万円以上でないと対象になりません。
⚠️対象は「販売目的で農作物を栽培する農地」を防護するための資材で、家庭菜園は対象外です。

🔴兵庫で最大の落とし穴:丹波篠山は「前年度9月末」

丹波篠山市の制度には、前年度のうちに希望調査へ申し出ないと翌年度に使えないものがいくつもあります。

  • 新規就農者支援の①機械等導入
  • 「水稲」用除草機械助成
  • ビニールハウス導入支援
  • 特産物振興『栗』の省力化機械

いずれも例年9月末ごろが翌年度分の申出期限で、見積書とカタログを添えて申し出る式です。
思い立った年度には使えません。

🔴 この記事を読んでいるのが夏なら、いま動くべきです。9月末の申し出に間に合えば翌年度から使えますが、逃すとまる1年待ちなります。
前年度から動く型の補助金については前年度の要望調査で決まる補助金の記事詳しく書いています。

兵庫で申請するときの注意点

  1. 🔴丹波篠山は前年度9月末に申し出る。機械・ハウス・除草機・栗の機械が該当します。
    年度が明けてから相談しても、その年度には使えません
  2. ⚠️ひとりで足りなければ3戸を探す。丹波篠山の集落農業守り隊(農業者3戸以上・認定不要・⭐複数回可)、丹波市の小規模農家グループ(3名以上)、県のアグリビジネス(3者以上)。
    近隣と組めるかどうかで、使える制度の数が変わります
  3. ⚠️「他の補助を受けていないこと」が条件の制度がある。朝来市は国・自治体の他の補助を受けていないこと、三田市の2件も国・県・その他団体の補助対象は対象外、丹波篠山の新規就農(機械)は国の経営発展支援事業を使う人は対象外。
    どれを使うか先に決めてください
  4. 🔴交付決定の前に発注・購入しない。丹波篠山の集落農業守り隊は「交付決定通知を受け取るまで契約や納品を確定させない」、三田市の2件も交付決定前の発注は対象外、淡路市も購入済みの資材は対象外です
  5. ⚠️先着順・予算枠の制度が多い。丹波篠山の集落農業守り隊、三田市の2件、淡路市はいずれも予算に達した時点で終了。
    年度後半は残額が少ない前提で動いてください
  6. ⚠️写真と来庁が要る。三田市は機械の納品後・使用前に機械全体と型番の写真が必要で、申請は原則来庁。
    丹波篠山の栗の苗木も植栽したほ場の位置図・全景写真が要ります

まとめ:兵庫は「ひとりか、3戸か」で探す

  • 3戸集められる=⭐⭐丹波篠山集落農業守り隊(認定不要・複数機種・複数回可/丹波市の小規模農家グループ(1/4・90〜100万円)
  • 認定を持たず、ひとりで使いたい=⭐三田市小規模農家営農継続(認定を「除く」・1/10・⭐中古可)/⭐三田市スマート農業(30a以上で可)
  • 大きく機械を入れる=⭐⭐朝来市(1/2・500万円。
    ⚠️面積拡大が条件)
  • スマート農機を入れる=神戸市(地域計画枠200万円)/丹波市(スマートは上限120万円)
  • 新規就農する=⭐加古川市1aあたり1万円・最大100万円/丹波篠山(機械50万+家賃3年で90万)/丹波市(家賃月4万×2年)
  • 就農前に学ぶ=⭐三田市(上限5万円・⭐種苗代や肥料代も対象。
    🔴2年以内に就農しないと返還)
  • 有機に取り組む=⭐県のコウノトリ育む農法(無農薬3.5万円/10a)/丹波篠山の除草機アイガモロボ等)/丹波市の有機JAS 8/10
  • 山の芋・栗をつくる=丹波篠山(⭐教える側にも出る後継者育成)
  • 新商品を開発する=県のアグリビジネス(3者以上・2/3・100万円)/農商工連携(2/3・400万円)
  • 獣害柵を張る=⭐淡路市(個人で可・1/3・5万円)/丹波市(80%以内・ ⭐狩猟免許は全額)

有機の制度は有機農業・環境保全の補助金鳥獣の柵は鳥獣被害対策の補助金あわせてどうぞ。
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