佐賀県の農業補助金には、他県とはっきり違う特徴が2つあります。

1つは「夫婦で就農すると金額が増える」制度が4つあること。
もう1つは市がひとつの品目に集中して制度を積み上げていることで、伊万里市は6件のうち4件が「伊万里牛」残る2件が「梨」です。

この記事では掲載24件を市町別に金額つきで整理します。
一覧で見たい方は佐賀県の補助金一覧からどうぞ。

佐賀の内訳

出し手件数性格
伊万里市6件⭐伊万里牛に4件・梨に2件。品目に全振り
武雄市5件研修から定着まで。家賃が2本立て
鹿島市4件⭐担い手応援は年齢上限なしで100万円
佐賀市3件スマート農業600万円・親元就農・有機
唐津市2件親元と研修で制度を分けている
佐賀県2件県1/2+市町の上乗せ型(合計6/10)
太良町・嬉野市各1件親元就農5年/移住に10万円+温泉チケット
⚠️ この件数は当サイトの調査状況を反映した数字です。
佐賀県には20の市町があり、表に出ていない市町にも制度がある可能性は十分あります。
件数の順位を「手厚さの順位」と読まないでください。

⭐夫婦だと金額が増える

制度単身夫婦
鹿島市 農業担い手応援事業100万円⭐150万円
伊万里市 梨栽培研修支援年100万円年150万円
唐津市 ステップアップ支援月10万円(転入見込み12.5万円)月15万円(同18万7,500円)
唐津市 明日の農業者チャレンジ年60万円年90万円

唐津市のステップアップ支援市外から転入する人のほうが手厚い設計で、研修終了までに転入する見込みなら月12万5,000円(夫婦18万7,500円)になります。
受入農家にも研修指導給付金出ます(研修生1人あたり日額1,500円・月上限3万円)。
⚠️指導する農家の3親等以内の親族は対象外なので、親元就農の人は明日の農業者チャレンジ支援事業ほう回る形です。

年齢の壁:鹿島市には上限がない

⭐⭐鹿島市 農業担い手応援事業は、年齢要件が「就農日における年齢が18歳以上」だけです。
上限がないため、49歳を過ぎて就農した人も対象になります(100万円・夫婦150万円)。

⚠️ ただし国の経営開始資金(年150万円×最長3年)の交付対象者は対象外で、どちらか一方の選択になります。
また農業所得を主として生計をたてている世帯であることが必要で、兼業で農業が副収入の形では対象になりません。

親元就農の受け皿も3市町にあります。
太良町年36万円を最長5年(総額180万円)と期間が長く、佐賀市⚠️富士町・三瀬村限定年60万円を最長2年(⚠️募集は年2名・審査制)。
🔴唐津市の明日の農業者チャレンジ就農先の親等の前年総所得が400万円未満いう、本人ではなく親の所得で判定される条件がついています。

⚠️ 太良町は給付開始年から5年経過するまでに農業をやめると全額返還なります(認定時点にさかのぼって返還)。
5年続ける覚悟が要る制度です。

武雄市(5件)=研修から定着まで、家賃は2本立て

  • 農の里親事業=研修生に月10万円受入農家にも研修生1名あたり月2万円
    教える側にも払う設計なので受け入れ先を探しやすいのが実務上の利点です。
    ⚠️月20日以上の研修・50歳未満・3親等以内の親族は対象外
  • 新規就農者経営確立支援事業=①スタートアップ(種苗・肥料・農薬・賃借料)1/2・上限30万円〈就農3年未満〉 ②経営改善(施設・設備)1/2・上限50万円〈就農1年以上〉 ③⭐農業用給水施設(ボーリング・ポンプ工事)1/10・上限20万円。
    水の確保に補助が出る自治体は多くありません
  • 新規就農農地提供協力金受け取るのは農地を提供した所有者(1,000㎡あたり3万円・上限30万円)。
    ⚠️3親等以内の親族に貸す形では使えません
⚠️⚠️ 武雄市には家賃の助成が2つあり、時期で使う制度が変わります。研修中は新規就農研修者家賃助成事業上限5万円/月最大2年)、就農後は定住就農者支援事業(1/2以内上限2万5,000円/月最大2年)。
金額も条件も違うので取り違えないでください。
どちらも親元就農は対象外で、市外から転入した人が対象です。

移住して就農する場合、住まいは借りるだけでなく空き家を引き継ぐ形になることもあります
納屋や蔵に前の住人の家財が残っていると、片づけ費用が最初の出費になりがちです。

伊万里市(6件)=伊万里牛に4件、梨に2件

1つのブランドに4本の制度を積み上げているのが伊万里市です。

  • ⭐⭐伊万里牛 規模拡大支援空き牛舎の賃借が1年目10/10(全額)2年目3/4・3年目1/2 (上限48万円/年)。
    空き牛舎の購入も3/4(上限108万円)、改修は1/2・上限150万円。
    後継者のいない畜舎を次の担い手へ回す設計で、初期投資の壁を大きく下げます
  • 伊万里牛 省力化支援=IoT機器は購入1/3に対しリースが1/2=借りるほうが補助率が高い珍しい設計。
    雇用費も1/2(上限17.3万円/年)で、人を雇う費用と機械で減らす費用の両方出ます
  • 伊万里牛 生産基盤強化支援=牛舎改修1/2・上限150万円(1農家1回まで)、伊万里産の素牛を導入すると1頭10万円(1農家10頭/年まで)。
    地元の繁殖農家と肥育農家をつなぐ設計です
  • 伊万里牛 一貫経営への支援=肉用牛サポートセンターの利用料が日額の1/2。
    ⭐素牛の価格高騰を自前の繁殖で吸収する向を市が支えています

梨の2件も品目特化です。
梨栽培研修支援「研修期間(無収入期間)における生活費」いう名目で年100万円(夫婦150万円)を最長2年。
果樹の未収益期間を市が直接支える設計で、作物を限定した生活費支援は全国的にほとんどありません。
伊万里梨産地強化支援事業改植が10アールあたり上限17万円(費用相当分を全額助成)、新たに梨園を借りると10アールあたり3万円一括交付されます。

🔴 伊万里市の6件は、いずれも出典ページの更新日が2020年11月です。制度の内容は要綱ベースで確認していますが、年度ごとの実施状況・金額・要件が変わっている可能性があります。
申請を検討する場合は必ず伊万里市の農業振興課へ直接確認してください。

佐賀市・鹿島市・嬉野市の残り

佐賀市のスマート農業推進事業1/2で最大600万円。
農作業を新たに受託すると上限額が上がりコンバインなら300万円→400万円になります。
中山間地域では移動式RTK基地局だけ3/4。
⚠️採択はポイント制で、目標年度に経営面積10ha以上という重い要件があります。

⭐佐賀市の有機農業普及啓発事業認定農業者などの資格要件がなく市内在住の農業者なら申請できます(1/2・上限10万円)。
有機JAS農産物の出荷資材(袋・ラベル等)の作成費まで対象で、取得後の販売面まで見ている点が珍しい制度です。

鹿島市には有機農業・スマート農業等支援事業(有機JAS・GAP・HACCP・⭐ドローン免許取得費に5万円以内。
⚠️ドローン本体は出ません)、中山間地休耕田等利用促進事業(簡易な基盤整備に10アールあたり6万5,000円・土壌改良材に1万円上乗せ。
荒廃農地の「発生防止」も対象)、イノシシ等被害防止対策事業(1/2・上限5万円。
⭐電気柵の防草シートまで対象)があります。

嬉野市の農業ターンWelcome応援金10万円+⭐市内旅館で使える温泉チケット1年分
⚠️引っ越し前の事前申請が必須で、転入してからでは受け付けられません。
⭐就農前の「トレーニングファーム研修生」も対象です。

県の2件は「市町の上乗せ」とセット

さが園芸888整備支援事業環境制御ハウス・いちご高設栽培・省力化機械が対象で、県1/2に市町村が上乗せして合計6/10(例:鹿島市+1/10)。
上限は受益農家あたり最大3,600万円〜とコースにより異なります。
⚠️上乗せ率・上限は市町村ごとに違うため、必ず地元の窓口で確認してください。
さがの稼げる水田農業推進事業県1/3〜1/2+市町1/10以上という同じ形です。

佐賀で申請するときの注意点

  1. 親元か、移住か、で入る制度が違う。唐津市も武雄市も、親元就農と市外からの研修で制度を分けています。
    3親等以内の親族が受入先だと研修系は使えません
  2. 国の資金との併給不可が多い。鹿島市・太良町・唐津市はいずれも国の経営開始資金等との併給ができません。
    どちらが得か先に比べてください
  3. 引っ越し前に申請する。嬉野市の応援金は転入してから申請しても受け付けられません
  4. 返還条件を確認する。太良町は5年以内にやめると全額返還です
  5. 🔴伊万里市の6件は出典が2020年11月。必ず農業振興課へ直接確認を

まとめ:佐賀は「誰と、どこから」で決まる

  • 夫婦で就農する=鹿島市(150万円)/唐津市(年90万円)/伊万里市の(年150万円)
  • 50歳を過ぎている=鹿島市(年齢上限なし・100万円)
  • 親元に入る=太良町(年36万円×5年)/唐津市/佐賀市(富士町・三瀬村)
  • 市外から移住して研修する=唐津市(月12.5万円)/武雄市(月10万円+家賃5万円)
  • 畜産で規模を広げる=伊万里空き牛舎の賃借が1年目全額)
  • 農地を貸す側=武雄市(1,000㎡あたり3万円)

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