宮城県の農業補助金は、2つの市町に集中しているのが特徴です。
掲載23件のうち丸森町が8件、登米市が8件で、この2つだけで16件を占めます。

しかも中身が濃い。
補助率10/10(全額)の制度が3つあり、丸森町にいたっては「借りたお金の返済額」に補助を出すいう、全国的にもかなり珍しい設計を持っています。

この記事では23件を市町別に金額つきで整理します。
一覧で見たい方は宮城県の補助金一覧からどうぞ。

宮城の内訳

出し手件数性格
丸森町8件⭐全額補助が2つ。返済・受け入れ・人手まで見る
登米市8件⭐認証は限度額なし。狩猟免許は全額
大崎市2件就農チャレンジと世界農業遺産「大崎耕土」
川崎町2件鳥獣柵は個人6/10。シルバー人材の委託費も
宮城県2件⭐県がRTK基地局を7か所整備済み
松島町1件鳥獣被害対策1/2・上限10万円
⚠️ この件数は当サイトの調査状況を反映した数字です。
宮城県には35の市町村があり、表に出ていない市町村にも制度がある可能性は十分あります。
件数の順位を「手厚さの順位」と読まないでください。

⭐丸森町(8件)=全額補助と、返済への補助

⭐⭐担い手確保支援事業補助金いちばん珍しい制度です。
青年等就農資金(国の無利子融資)を借りた認定新規就農者に、その年度の償還額(返済額)の1/2以内を町が補助します。

青年等就農資金はもともと無利子なので、そのうえ返済の半分が補助されると実質的な負担がかなり軽くなります
毎年の償還額に対して申請するため、返済が続く間は継続して使えます。

⚠️ 対象になる借入の使いみちは農業用施設・機械の整備費、家畜購入費、果樹植栽費、農地貸借料限られます。
国の経営発展支援事業の補助対象になった経費は対象外(二重取り不可)。
町税・国保税・水道料金・保育料などの滞納があると対象外です。

全額(10/10)で出る2つ

  • 特別栽培農産物支援事業「みやぎの環境にやさしい農産物認証・表示制度」の現地確認費・認証旗・認証シールの印刷代まで全額
    直売所やパッケージでの表示にそのまま使えます。
    ⚠️この要綱は令和11年3月31日限りで失効するので、使うなら期間内に。
    ⚠️有機JASの認証費用ではなく、県の制度が対象です
  • 果樹産地形成支援事業果樹を植えるための「土地の造成費」が全額(1アールあたり25,000円が上限。
    10aで25万円、50aで125万円)。
    土地の造成費を対象にする補助はかなり珍しく傾斜地や荒れた土地を果樹園に変えるときに効きます。
    ⚠️「丸森町果樹産地構造改革計画」の対象農業者に限られ、省力樹形などへの取組が条件

受け入れる側・人手・住まい

  • 就農研修生受入農家等支援事業受け取るのは研修生ではなく受け入れる農家で、研修生1名につき1日2,000円(通算3か月以上24か月以内)。
    ⚠️先に県から「就農準備資金の研修機関」の認定を受けている必要があります
  • シルバー人材農業活用事業=シルバー人材センター登録者への農作業委託費が1/2以内年間20万円まで。
    人を雇う費用そのものを補助する市町村制度は珍しく繁忙期に直接効きます(⚠️対象は認定農業者と認定新規就農者のみ)
  • 新規就農者定住推進事業=家賃の1/2・年48万円まで、通算36か月=最大144万円
    認定新規就農者だけでなく「就農研修生」も対象研修中から使えます。
    ⚠️転入から8年以内の転出、就農から8年以内の離農は返還になります
  • 認定農業者支援事業=機械・施設が1/3以内・年50万円。
    ⚠️⚠️一度受けると交付年度から5年間は再申請できません
  • 農産加工品販売促進事業=⭐イベント出店料・販売手数料1/2・上限10万円。
    ⚠️個人単独では申請しにくく、町民3人以上の団体や直売所を営む人が対象です

登米市(8件)=認証は限度額なし、狩猟免許は全額

  • ⭐⭐環境保全型農業認証・検査等支援事業=国際水準GAP・有機JAS・県認証の取得が3/4以内、更新が1/2以内で限度額なし
    認証費用が高額でも補助率どおりに出ます。
    ⭐JGAP指導員などの資格取得費も1/2で別枠
    ⚠️原則として認証の申請前に補助の申請すること(後からでは対象外)
  • 狩猟者確保対策事業10/10(全額)・上限5万円
    猟銃の所持許可に要した手数料まで対象で、ここまで見る自治体は多くありません。
    ⚠️免許取得後は「市鳥獣被害対策実施隊員」として従事・協力することが求められます
  • 森林を活かす木造建築支援事業=⭐対象に「畜舎、倉庫」が明記されています(住宅だけの制度ではありません)。
    市内産木材3㎥以上で30,000円/㎥・上限45万円、加算を積むと最大75万円規模。
    ⭐市内産木材の50%以上を市内製材所から買うと15万円が定額加算。
    ⚠️申請は建築完了後12か月以内
  • 園芸用ハウス整備事業=新設20%以内・上限100万円に加えて、外張りビニール・内張りカーテンの「張り替え」に別枠(20%・上限50万円)。
    ⭐青年等就農計画の認定者は限度額の特例があります
  • 園芸用機械整備事業=20%以内・上限100万円。
    冷庫が対象(収穫後の品質保持まで)。
    ⚠️既存機械の更新と中古は対象外
  • スマート機械等整備事業=30%以内・上限50万円。
    ⭐県のRTK基地局を使うための既存システムのバージョンアップ費用も対象
    ⚠️受付は4月1日〜4月15日の2週間だけで、逃すとその年度は使えません
  • 防護柵等設置事業=1/2以内・上限10万円。
    個人で申請でき設置費用と防鳥ネットも対象。
    畜産総合振興対策事業肥育素牛・繁殖素牛が1頭13,000円以内(⭐指定種雄牛の子牛なら10,000円加算)、優良乳用牛が1頭30,000円以内。
    ⭐繁殖素牛は「保留」も対象です

鳥獣対策は4つの市町にある

宮城は鳥獣対策の制度が分散しています。
川崎町 有害鳥獣被害防止施設導入事業個人でも6/10・上限30万円(団体は8/10・上限160万円)と補助率が高く、過去に補助を受けた農地でも購入から5年以上経過していれば再申請できます
松島町1/2・上限10万円(⚠️経営耕地20a以上または販売50万円以上が条件)、登米市も1/2・上限10万円です。

わなを掛けたあとの見回りは、補助の対象にならない範囲でも負担が大きい作業です。
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川崎町・大崎市・県の制度

川崎町の担い手農家シルバー人材活用事業農作業の委託費が1/2以内・上限10万円(販売を行う農業者は5万円)。
上限に達するまで年度内に繰り返し申請できます

大崎市には農業イノベーション総合支援事業(認定新規就農者の機械・施設に1/2・上限50万円。
国の支援に上乗せできます)と、世界農業遺産理解促進補助金(世界農業遺産「大崎耕土」の資源を活かした商品開発が1/2・上限50万円)があります。

県の2件では、スマート農業技術普及拡大事業特徴的です。
県が7か所のRTK基地局を整備済みで、自前で基地局を建てなくてよいのが利点。
県RTKに接続できる自動操舵システムやドローンが1/3以内・上限33万円(耕作面積30ha超は66.6万円)です。
⚠️「みやぎスマート農業推進ネットワーク」への入会と県RTK利用契約が条件で、募集は年度はじめ(令和8年度は6月17日で終了)。

新農業人・中小規模経営体支援事業1/3以内・上限200万円で、対象が「認定農業者等を除く」新農業人や小規模・家族経営体です。
認定を持たない層の受け皿になっています。

宮城で申請するときの注意点

  1. 受付期間が極端に短い制度がある。登米市のスマート機械は4月1日〜4月15日の2週間だけです
  2. 認証は「申請前」に補助を申請する。登米市の認証支援は原則として認証の申請前に補助申請が必要で、後からでは対象外です
  3. 再申請の制限が長い。丸森町の認定農業者支援は交付年度から5年間、再び申請できません
  4. 返還条件がある。丸森町の定住推進は転入から8年以内の転出、就農から8年以内の離農で返還になります
  5. 失効期限がある要綱も。丸森町の特別栽培農産物支援は令和11年3月31日限りで失効します

まとめ:宮城は丸森町と登米市から見る

  • 融資を借りて就農した=丸森町の担い手確保支援(返済額の1/2)
  • 認証を取る・更新する=登米市(限度額なし・取得3/4)/丸森町(県認証は全額)
  • 人手が足りない=丸森町(年20万円)/川崎町(繰り返し申請可)
  • 研修生を受け入れる=丸森町(1日2,000円)
  • 果樹園を新しく開く=丸森町の土地造成(1aあたり25,000円・全額)
  • 畜舎・倉庫を建てる=登米市の木造建築支援(市内産木材)

人手の確保については農業の人手不足に使える補助金あわせてどうぞ。
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