埼玉県の農業補助金には、他県とはっきり違う特徴があります。
毎年出ていく細かい費目に、市がピンポイントで出していることです。

分解性マルチ、緑肥の種子、フェロモン剤、酒米の反当助成、コンクールの出品料、そして農業機械の修理代—— 大きな設備投資ではなく、毎年の実費に当たる枠がそろっています。
一方で県はスマート農業に2/3・上限1,400万円と、こちらは大型です。

この記事では掲載25件を市別に金額つきで整理します。
一覧で見たい方は埼玉県の補助金一覧からどうぞ。

埼玉の内訳

出し手件数性格
加須市6件⭐毎年かかる資材・作付け・出品料に細かく出す
埼玉県5件スマート農業2/3・1,400万円と大型
深谷市4件⭐収入保険20万円。遊休農地は荒れ具合で単価が変わる
本庄市4件環境農業5メニュー。出店費にも出る
川越市3件⭐農業機械の修繕費という珍しい枠
さいたま市2件15種目から選べる。認証支援がほぼ全工程
熊谷市1件⭐販売50万円以上なら認定なしでも可
⚠️ この件数は当サイトの調査状況を反映した数字です。
埼玉県には63の市町村があり、表に出ていない市町村にも制度がある可能性は十分あります。
件数の順位を「手厚さの順位」と読まないでください。

⭐毎年かかる費目に出る

加須市の6件は、機械や施設ではなく毎年買うもの毎年やること向いています。

制度金額
環境にやさしい農業推進事業生分解性マルチ1/2・2万円/緑肥種子1/2・1.5万円/フェロモン剤1/2・2万円
有機JAS認証取得等支援講習2万円/取得10万円/⭐更新5万円
酒造好適米生産支援⭐10アールあたり1万円(山田錦・五百万石等)
そば産地づくり推進10アールあたり3,500円(⚠️新規・拡大分のみ)
農産物コンクール等出品支援⭐出品料の1/2・1回1万円まで
園芸振興助成(多目的防災網)資材費1/3(⚠️張替工事も対象)

コンクールの出品料に出る補助は全国的にほとんど例がありません(⚠️全国規模以上のコンクールに限る・出品前の申請が必要)。
酒造好適米の反当助成も珍しく、そばの支援とあわせて主食用米からの転換先を探している向いています。

⚠️ 加須市の多目的防災網は令和8年度は予算上限に達して受付終了しています(2026年5月18日時点)。
上限額も公表されておらず、実質「予算がなくなるまで」の早い者勝ちの制度です。
次年度は年度初めに動くのが前提になります。

同じ系統で、川越市には農業機械修繕費補助(1/3・上限10万円)があります。
修繕費専用の補助は全国的に珍しい制度です。
⚠️修理業者に依頼したものが対象で、部品だけ買って自分で直した場合は対象外。
性能向上のパーツ交換やアタッチメント購入も対象外で、劣化・摩耗の修理に限られます。

収入保険の補助は、市で4倍違う

金額特徴
深谷市⭐1/2以内・上限20万円掲載中の同種制度でも最大級
本庄市1/2以内・上限5万円掛捨て部分のみ(付加保険料・積立金は対象外)

どちらも新規加入者が対象で1回限りですが、申請は埼玉県農業共済組合が受け付けるので市役所に行く必要がありません(深谷市は北部統括支所、本庄市は本庄支所)。
⚠️深谷市は市の予算の範囲内で、超えた時点で期限前でも締め切られます。

GAP・有機JASの認証は5市が支援

⭐さいたま市のGAP・有機JAS取得支援事業認証にかかるほぼ全工区分ごとに1/2で見ます。

  • 水質・土壌・残留農薬等の検査=5万円
  • 指導員等による農場点検=12万5,000円
  • マニュアル・記録の作成、ICT情報システムの利用料認証対応の備品設置・施設改修=合計40万円
  • 審査機関によるGAP認証の農場審査等=23万円/研修=3万円

ICTシステムの利用料や施設改修まで対象になるのは珍しい点です。
⚠️農業経営者団体・農協で申請する場合は基準額に取組経営体数を掛けた限度になるため、団体だと枠が広がります。

ほかに加須市(更新5万円も対象)、本庄市の環境にやさしい農業推進事業(生態系農業・生分解性マルチ・堆肥・実証ほ・有機JAS認定の5メニュー。
⚠️補助率はメニューごとに設定されるため農政課での確認が必要)、深谷市の国際水準GAP認証取得支援(1/4以内)があります。

⚠️ 深谷市のGAP支援は上限額が公表されていません。市のページには「上限額あり」とだけ書かれ、交付要綱も例規集に載っていないため、金額は農業振興課特産係(048-577-3298)への電話でしか分かりません
また「新たに」取得する場合が対象で、更新は対象と書かれていません。

県の5件:スマート農業と高温対策

  • スマート農業導入コスト低減支援事業2/3・上限1,400万円
    県の制度としてかなり高い補助率です
  • 施設園芸パイオニア技術推進事業=タイプ別に1/2以内・上限200万円。
    「昇温抑制機器等支援型」あり、気化熱利用の外気導入システムや地下水・地中熱のヒートポンプなど夏にハウスが焼ける問題使えます。
    ⚠️3タイプは「経営体として初めて導入する機器」が対象で、増設は対象外
  • 元気な野菜産地づくり支援事業=⭐露地野菜が対象(ハウスではなく畑の省力化)。
    3ha以上なら収穫・調製の省力化に1/2・上限350万円、1〜3haなら栽培全般に250万円。
    直進アシストトラクタ・ドローン・自動草刈り機も入ります
  • 新規需要米作付拡大支援事業=1/2(標準事業費800万円)。
    飼料用米・米粉用米などへの転換向け。
    ⚠️成果目標が厳しく、水稲15ha未満なら「1.5倍以上かつ15ha以上に拡大」が要ります
  • 頑張る新規就農者応援事業=⭐女性雇用就農促進枠1/2以内・上限300万円。
    衛生施設(トイレ・シャワー)・休憩所・アシストスーツ等が対象で、 ⚠️完了後3年以内に女性2名を正規雇用する見込みが要件です

機械を入れる・規模を広げる

深谷市の遊休農地解消は「荒れ具合で単価が変わる」

深谷市 遊休農地解消事業補助金解消作業費の1/2以内ですが、上限単価が状態で細かく分かれています。

  • ⭐高木叢生40円/㎡・低木叢生30円/㎡・雑草繁茂10円/㎡=荒れているほど手厚い
  • ⭐抜根が別枠で、直径60cm超なら1本10,000円まで(15cm以下は1,000円)
  • 投棄廃棄物の処理1,000円/㎡(1/3以内)、畦畔の撤去3,000円/m
⚠️ 補助を受けるのは土地の所有者ではなく、引き受けて耕作する農業者です。
引き受ける側は経営面積50a以上で、再生後3年以上耕作することが条件。
同一世帯内からの権利移転は対象外です。

埼玉で申請するときの注意点

  1. やる前に申請する。加須市のコンクール出品は出品前、本庄市の販売促進支援(イベント出店費1/2・年1万円)も⚠️出店してから申請しても対象になりません
  2. 先着順・予算切れが早い。加須市の多目的防災網は令和8年度に受付終了、川越市の修繕費も先着順です
  3. 金額が非公表の制度がある。深谷市のGAP支援と加須市の多目的防災網は上限額が公表されていません。
    電話で確認する必要があります
  4. 要望調査の時期がある。川越市の2件は例年4月中旬〜5月中旬、または年度初めの要望調査に応募する式です
  5. 1回限りの制度に注意。本庄市の新規就農者機械(5年で1回)、収入保険の補助(両市とも1回限り)は使いどころを選ぶ必要があります

まとめ:埼玉は「毎年の実費」から探す

  • 毎年買う資材=加須市(マルチ・緑肥・フェロモン剤)/本庄市(5メニュー)
  • 機械が壊れた=川越市の修繕費補助(1/3・10万円)
  • 収入保険に入る=深谷市(20万円)/本庄市(5万円)。
    まず青色申告から
  • 認証を取る=さいたま(ほぼ全工程)/加須市(更新も)/深谷市/本庄市
  • 大きな設備投資=県のスマート農業(2/3・1,400万円)/施設園芸パイオニア(高温対策)
  • 主食用米から転換する=加須市の酒米・そば/県の新規需要米

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