神奈川の補助金でいちばん多い失敗は、制度に外れることではなく、受付が終わっていることです。

掲載17件のうち13件に締切が書かれていて、そのうち8件が4月から8月のあいだに閉じます。しかも窓が短い。
伊勢原市のスマート農業は6月の1か月だけ横浜市のスマート農業は5月15日が提出締切横浜市の新規就農にいたっては4月1日から4月16日です。

年度が始まってから「何が使えるだろう」と調べ始めると、その時点でほとんどが閉まっています。神奈川は冬のうちに機種と見積もりを決めて、4月に窓口へ行くです。

金額の面では、横浜市の機械設備が80%(上限80万円)と手厚く、平塚市は家賃を月3万円・最長5年(満額なら180万円)見てくれます。
⭐厚木市の農地流動化奨励金は貸す側にも借りる側にも出ます。

この記事では掲載17件を出し手ごとに金額つきで整理します。
一覧で見たい方は神奈川県の補助金一覧からどうぞ。

神奈川の内訳

出し手件数性格
横浜市5件⭐⭐機械設備80%/⭐認定を問わないスマート枠/体験農園/⭐柵を個人で
神奈川県3件スマート機器(個人100万・団体500万)/農福連携/⭐中規模層だけの枠
平塚市2件資機材1/2・100万(⭐農地の畑地化も)/⭐家賃 月3万×最長5年
厚木市2件耕作放棄地10aで5万(重機なら1/2)/⭐流動化は貸す側にも借りる側にも
秦野市・藤沢市・伊勢原市・小田原市・中井町各1件🔴電気柵は対象外/1日3,000円/⚠️6月の1か月だけ/体験の場に10万/⚠️1月だけ
⚠️ この件数は当サイトの調査状況を反映した数字です。
神奈川県には33の市町村があり、表に出ていない市町村にも制度がある可能性は十分あります。
件数の順位を「手厚さの順位」と読まないでください。

🥇⭐⭐神奈川は「いつ動くか」で使える制度が決まる

まず締切から見てください。
神奈川では、制度に合うかどうかより先に、今が何月かで選択肢が決まります。

受付制度備考
4月1日〜4月16日横浜市 新規就農(認定新規就農者ほか)⚠️2週間
4月1日〜5月15日横浜市 スマート農業(事前審査→提出)⚠️2段階
4月20日〜5月15日横浜市 新規就農(農業後継者の枠)区分で別日程
〜5月15日横浜市 収穫体験農園のうち農業機械の枠⚠️施設は8月31日
6月1日〜6月30日伊勢原市 スマート農業等導入支援⚠️⚠️1か月だけ
6月1日〜7月24日神奈川県 スマート農業推進事業例年6月上旬〜7月下旬
6月9日〜2月末小田原市 地域支援型農業構築モデル⚠️先着・予算まで
7月7日〜8月4日神奈川県 農福連携推進事業⚠️約1か月
〜8月31日横浜市 鳥獣侵入防止/収穫体験農園(施設)4月1日から受付
8月下旬〜10月上旬神奈川県 農業経営新規アイデア実現支援例年の時期
〜12月25日秦野市 鳥獣保護管理対策(防護柵)⚠️年度末ではない
1月上旬〜1月末中井町 農業振興補助金⚠️買った翌年1月に申請
4月1日〜3月1日藤沢市 農福連携促進事業⚠️予算に達し次第終了

日付は令和8年度の実績です。
⚠️年度によって前後するので、「例年この時期」という目安として使い、正確な日程は必ず窓口で確認してください。

⚠️⚠️伊勢原市は6月の1か月しかない

伊勢原市 スマート農業等導入支援事業1/3以内・上限100万円。
受付が6月の1か月だけいう設計です(令和8年度は6月1日〜6月30日)。

  • ⚠️対象経費は50万円以上(税抜)という下限があります。小型機器1台だけでは下限に届かないことがあります
  • ⚠️メンテナンス費・保険料・操作講習費は対象外。
    機器本体の費用で50万円を満たす必要があります
  • ⚠️対象は市内で農業を営む認定農業者または認定新規就農者です
  • ⚠️市税の滞納がないことが条件です
⚠️ 見積もりは5月までに取っておくのが実務的です。6月に入ってから機種を選び始めると、見積書がそろう前に締め切られます。
窓口は農業振興課農業政策係(0463-94-4648)。

横浜市は4月にすべてが始まる

横浜市 新規就農者農業経営改善支援事業農業機械・生産資材・生産施設・環境整備費が50%以内通算上限300万円(目安)。
認定新規就農者だけでなく、満5年以内・49歳以下の農業後継者も対象です。

⚠️ 令和8年度は区分で受付期間が分かれていました。認定新規就農者・横浜チャレンジファーマーが4月1日〜4月16日、親元就農等の農業後継者が4月20日〜5月15日。
自分がどちらの区分かで締切が2週間ずれます。⚠️3年以内に市民向けイベントの企画・協力に同意することが条件です(都市農業への理解を広げる趣旨)。
⚠️交付決定前に発注したものは対象外。

横浜市 スマート農業技術の設備等導入支援事業50%以内・上限50万円。
こちらは4月1日から事前審査の申込を受け付け、5月15日が提出締切(令和8年度)という2段階です。
⚠️予算に限りがあり、申請に対して全額補助できない場合があると市が明記しています。

⭐横浜市の5件:80%の機械補助と、認定を問わない

横浜市 農業経営改善支援事業(認定農業者向け)は、経営改善用の農機・設備・備品の購入が ⭐⭐80%以内・上限80万円
当サイトに掲載している969件のなかでも80%という補助率は上位に入ります。

  • ⚠️同じ制度でも農業生産用施設の防災補強資材は50%以内・上限20万円で、何を買うかで率が変わります
  • ⚠️対象は横浜市の認定農業者(または認定農業者が8割以上の団体)
  • ⚠️処分制限期間中の適正管理が必要です

一方で、横浜市 スマート農業技術の設備等導入支援事業対象が「横浜市内の農業者」で、認定が要件になっていません。環境測定装置・高度な環境制御システム・環境制御機器・ロボット技術搭載機械・ ICT販売支援システムなどが50%以内・上限50万円。
✅畜産農家も対象です(窓口は農業振興課 045-711-0637)。

横浜市 鳥獣侵入防止対策電気柵・捕獲オリ等の設置費が50%以内。
政令指定都市で個人の農業者が柵の補助を使える例は多くありません。同じ枠組みで農薬飛散防止対策施設(防薬網等)の設置費も50%以内で補助されます。

⚠️ 限度額が公表されていません(市の一覧に「限度額あり」としか書かれていない)。
金額は北部農政事務所(045-948-2480)/南部農政事務所(045-866-8493)へ。
⚠️申込締切は8月31日、⚠️消費税分は原則として補助対象外です。

横浜市 収穫体験農園の開設支援事業は、果樹棚・ビニールハウス・高設栽培設備などの栽培施設や農園看板の設置費が50%以内。
700万人都市の中で体験農園を開ける立地は、集客のしやすさが他地域と違います。

⚠️⚠️ 農業機械だけは締切が5月15日と早く、しかも「すでに開園済みであること」などの条件があります。⚠️果樹棚等の農園開設整備費用が優先されるため、申込状況によっては機械が採択されないことがあります。
機械だけを先に申請することはできません。

🥈販売金額の数字が、そのまま入口になっている

神奈川のもうひとつの特徴は、認定の有無ではなく「売っている金額」で線を引く制度が多いことです。
確定申告の数字がそのまま要件になります。

なかでも神奈川県 農業経営新規アイデア実現支援事業珍しい設計です。
新規アイデア導入が1/3以内・上限100万円、施設整備が1/3以内・上限500万円。
⚠️就農年数4年以上必要で新規就農直後は使えず、 ⚠️販売金額が1,500万円を超えても使えません。大規模層でも駆け出しでもない、「これから伸ばす中規模層」だけを狙って作られています。

🥉農福連携が、県と市の二段になっている

人手が足りないという話に、神奈川は県と市の両方から別の角度で答えています。

神奈川県 農福連携推進事業補助金「場所をつくる」ほうです。
障が者等が作業しやすい作業場・休憩場所の環境整備、バリアフリー対応トイレの設置1/3以内・上限100万円。

⚠️ 整備内容ごとに事業費30万円以上が必要です(小さな整備は組み合わせて)。
⚠️県主催の農福連携研修の受講(済みまたは予定)と、普及指導員の指導を受けていること要件=研修とセットの制度なので、まず研修の申込から動きます。
⚠️機器の単純更新・維持管理費・修繕費は対象外。
⚠️受付は7月7日〜8月4日(令和8年度)と約1か月です。
窓口は農業振興課 045-210-4446。

藤沢市 農福連携促進事業補助金「受け入れた日数に払う」ほうです。
福祉施設等に農作業を委託した日数に応じて1日3,000円、年度内60日まで(最大18万円)
設備投資がいらないぶん、いちばん手前の一歩になります。

⚠️ 先に福祉施設等と農作業の受委託契約を結んでおく必要があります。受け入れ先の紹介は市の農業水産課(0466-50-3532)に相談できます。
⚠️1日1時間以上、職員1名以上・利用者1名以上の参加が条件。
⚠️資本関係・人的関係のある施設(親子会社、同一人物が双方の役員など)との連携は対象外=身内の施設ではできません。
⚠️予算に達した時点で受付終了なので年度前半が有利です。

平塚市の2件:就農初期の「機械」と「家賃」

平塚市 新規就農者資機材等導入補助金1/2以内・上限100万円。
トラクター・管理機・防除機・ドローンなどに加えて、農地の整備そのものが対象なのが特徴です。

  • ⭐伐根・土盛り・切土による畑地化
  • ⭐切土・水路への接続・簡易的なポンプアップによる水田化
  • ⭐法面、土壌改良・土壌診断(元肥の散布と前年度実施済みの診断は除く)
  • ビニールハウス・ガラスハウス・畜舎・農業用倉庫・貯蔵施設
⚠️ 申請できるのは認定を受けてから2年を経過する日まで=就農3年目以降は使えません。
⚠️過去にこの補助金を受けていないことが条件=実質1回限りなので、何を買うかをよく検討してから申請してください。
⚠️認定取得から申請時までの間に農地を貸借したことが交付条件に入っています。
⚠️消耗品(薬剤・肥料)、機械式でない農機具(鍬・鋤)、汎用性の高いもの(軽トラック・パソコン)は対象外です。

平塚市 新規就農者家賃支援補助金家賃の1/2以内・月上限3万円が最長60か月=5年間
満額なら合計180万円なります。
共益費・管理費・駐車場利用料も「家賃」に含めて計算できるので、農業用の駐車スペースがある物件では効きます。

⚠️ 補助期間の起点は「認定新規就農者に認定された日が含まれる月の翌月」です。
認定が先で引越しが後でも、起点は認定日の基準で進みます=認定を早く取るほど、5年をまるごと使えます。⚠️前年の農業所得が550万円未満であること、⚠️市内に住民登録があり居住していること、 ⚠️持ち家では使えないこと(賃貸借契約書の写しが必要)。
⚠️申請は年度ごとで、5年分がまとめて決まるわけではありません。
💡同じ平塚市の資機材等導入補助金と組み合わせられます。

厚木市の2件:荒れた農地と、貸し借り

厚木市 耕作放棄地再生利用事業費補助金は、再生作業が10アールあたり5万円の定額
⭐ただし重機等を用いる場合は総事業費の1/2なり、費用がかさむケースでは1/2のほうが有利です。
⭐再生した農地で使う農業機械・車両・器具・備品の購入も35%以内で対象=再生だけでなく、その後の営農まで見ています。交付要綱に補助金の上限額の定めはありません(面積・事業費に応じた算定)。

🔴 交付対象者は「厚木市農業再生協議会又はその会員」です。個人で直接申請できるかは協議会の会員構成によります。
必ず先に農業政策課(046-225-2800)確認してください。⚠️着手・購入の前に交付申請して交付決定を受ける必要があります(事業計画書・収支予算書・見積書およびカタログ等)。

厚木市 農地流動化奨励金は、貸す人と借りる人の両方に交付されます。単価は契約期間で変わり、100平方メートルあたり 3年以上6年未満=1,000円/6年以上9年未満=2,000円/9年以上=3,000円
10アールなら順に1万円・2万円・3万円です。

地権者にも支払われるので、「貸してください」と頼むときの材料になります。農地を探している側にとっては、金額そのものより交渉のきっかけとしての価値のほうが大きい制度です。

⚠️⚠️ 中途解約した場合は奨励金を返還することになります。期間の長さで単価が3倍変わりますが、続けられる面積かを先に見極めてください。⚠️農用地利用集積等促進計画で利用権を設定した契約であることが必須で、当事者間の口約束や単なる賃貸借契約では対象になりません。
⚠️同一世帯間での利用権の設定は対象外(家族間の名義移動には使えません)。

残りの市町:小田原・秦野・中井町

小田原市 小田原版地域支援型農業構築モデル補助金は、農産物の生産ではなく「消費者に農業体験の場を提供する活動」への補助上限10万円。
全国的にも珍しいタイプです。
⭐対象経費に保険料入っているのが実務的で、消費者を農地に入れるときの傷害保険は事実上必須の出費です。

⚠️ イベントの収入が支出を上回る場合は補助金が出ません。参加費で黒字になる企画は対象外という設計なので、参加費の設定を事前に農政課(0465-33-1494)と相談してください。⚠️受付は先着で、予算に達した時点で終了します(令和8年度は6月9日〜令和9年2月末日)。

秦野市 鳥獣保護管理対策事業(防護柵補助金)ワイヤーメッシュ柵・金網柵・支柱等で覆う防鳥ネットが1/2以内・上限5万円、購入費1万円以上の防鳥ネットが1/2以内・上限3万円。

🔴⚠️ 電気柵・ネット柵・トタン・忌避用品は対象外です。獣害対策の定番である電気柵が外れているので、買う前に対象資材かどうかを必ず確認してください。⚠️購入・設置の前に申請が必要です(設置前の写真も要ります)。
⚠️締切は年度末ではなく12月25日(令和8年度)。
窓口は農業振興課農業支援・鳥獣対策担当 0463-81-7800。

中井町 農業振興補助金は、有機資材と鳥獣対策を1本の補助金でまとめて見る珍しい設計です。
有機堆肥・微生物資材・土壌改良材と、電気柵・防鳥ネット・小型獣類捕獲器がどちらも1/2。
✅個人で申請できます。
認定農業者・認定就農者は上限20万円、その他の農業者は10万円で、認定を取ると倍になります。

⚠️ 申請できる期間が1月の1か月間だけです(例年1月上旬〜1月末・開庁日のみ)。
買ってから翌年の1月に申請する形になるので、⚠️領収書の写しを捨てないでください。⚠️予算を超えると減額交付になることがあります。
窓口は産業環境課 0465-81-1115。

神奈川で申請するときの注意点

  1. ⚠️⚠️冬のうちに見積もりを取る。伊勢原市は6月の1か月だけ、横浜市のスマート農業は5月15日提出締切、横浜市の新規就農は4月1日〜16日。
    年度が始まってから機種を選び始めると間に合いません
  2. ⚠️自分がどの区分かで締切が変わる。横浜市の新規就農は認定新規就農者が4月1日〜16日、農業後継者が4月20日〜5月15日。
    横浜市の収穫体験農園は施設が8月31日でも機械だけは5月15日です
  3. 🔴買う前・着手する前に相談する。秦野市は購入・設置の前に申請(設置前の写真も必要)、厚木市の耕作放棄地は着手前に交付決定、横浜市の新規就農は交付決定前の発注が対象外です
  4. ⚠️確定申告の数字が要件になる。県のスマート農業と農福連携は30アール以上または販売金額50万円以上、新規アイデアは直近2年で250万〜1,500万円、平塚市の家賃支援は前年の農業所得550万円未満。
    数字が伸びると使えなくなる制度もあります
  5. ⚠️対象資材が市ごとに違う。秦野市は電気柵が対象外、横浜市は電気柵・捕獲オリが対象、中井町も電気柵が対象。
    隣の市で使えたから、が通用しません
    柵の制度全般は鳥獣被害対策・狩猟免許の補助金あわせてどうぞ
  6. ⚠️限度額が公表されていない制度がある。横浜市の鳥獣侵入防止と収穫体験農園は「限度額あり」としか書かれていません。
    金額は北部・南部の農政事務所に直接聞いてください
  7. 💡認定を取ると条件が変わる。中井町は上限が10万円から20万円へ、平塚市・伊勢原市は認定そのものが入口です。
    認定農業者の要件は認定農業者とは確認できます

まとめ:神奈川は「今が何月か」から探す

  • 4月に動ける=横浜市の新規就農(⚠️4月1日〜16日)/スマート農業(⚠️5月15日提出)
  • 5〜6月に動ける=⚠️⚠️伊勢原市(6月の1か月だけ)/県のスマート農業(6月1日〜7月24日)
  • いま8月=横浜市の鳥獣・体験農園(8月31日)/県の新規アイデア(8月下旬〜)/平塚市の二次募集
  • 秋・冬にできる=秦野市の(⚠️12月25日)/中井町(⚠️1月の1か月)/小田原市(2月末まで)/藤沢市(3月1日まで)
  • 機械を安く入れる=⭐⭐横浜市の認定農業者向け(80%・上限80万円)
  • 認定がなくても使う=⭐横浜市のスマート農業(市内の農業者なら可)
  • 住まいの負担を下げる=⭐平塚市の家賃支援(月3万円×最長5年=満額180万円)
  • 農地を借りる・貸す=⭐厚木市の流動化奨励金(⭐貸す側にも借りる側にも。
    9年以上なら10aで3万円)
  • 荒れた農地を戻す=厚木市の耕作放棄地再生(10aで5万円。
    ⭐重機なら1/2・上限の定めなし)
  • 人手を福祉と組んで埋める=県(設備1/3・100万円)+ ⭐藤沢市(1日3,000円×60日)
  • 消費者に開く=横浜市の収穫体験農園(⚠️機械は5月15日)/ ⭐小田原市(⚠️黒字だと対象外)
  • 就農初期に機械と農地整備=平塚市(⭐畑地化・水田化も対象。
    ⚠️認定から2年以内・1回限り)

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